冬の寒冷地における宿の経営、乗鞍の可能性①

今年の冬は寒いですね〜。
冬は寒いのが当たり前だけど、ここまで寒いとお天道様が出てくるまでじっとしていたくなります。日中が−10度以下がもう何日も続いています。

そうなると、、、寒いと光熱水費が跳ね上がる。。。

今日はここ乗鞍高原で宿泊業をしている中での冬の経営と可能性について書いてみたいと思います。ここ乗鞍高原は春夏秋冬アクティビティーを楽しめる場所。日本の中でもまず観光資源で見れば相当恵まれています。しかしながら、観光客は減少傾向、これは乗鞍高原に限らず、上高地を含む中部山岳国立公園全体に言えることです。
こちらの過去のブログも参考に。
雷鳥に巡り会うまで 後編

特に冬。
聞いたところによると、かつてのバブル期、スキーブームの時には、土日は乗鞍高原の千石平(お蕎麦屋の合掌さんがあるところ)まで駐車場待ちの渋滞があり、番所や千石平のスキー場への送迎は1時間はかかったとか(普段は10分以内)。。。平日も含めて宿は満室となり、共用スペースで良いので寝かせて下さいと電話がかかってくるほどだったらしいです。それが今では、周辺のお話を聞くと、年末年始の30日〜2日や3連休の初日は満室となるが、それ以外は土曜日も満室にならないことがあると。

長野県の志賀、野沢、白馬などのビックリゾートの宿関係者にも知り合いがいて、話を聞くと、スキーブームは去っても、外国人旅行客を取り込んでいるところもあり、冬の稼ぎが年間の7割だと言っています。乗鞍のピークシーズンは?と聞かれてると、夏と秋ですね。

この差はどこにあるのでしょうか?
この疑問を考える前に、まず冬の営業の大変さを少しお話します。

冬の営業は、夏に比べてエネルギーを倍以上に使う。

これにつきます。
エネルギーとは、冒頭に述べた光熱水費そして、人の体力です。

まず光熱水費について、ぶっちゃけます。
12月の灯油の請求・・・12万, 電気代の請求・・・12万
凄まじいです。これに加えてRaichoでは薪を購入しており、これもシーズンで10万ほど。暖房費を300円追加で請求させて頂いていますが、もちろん賄えません。。。今年は寒いのと、年末年始が去年より好調だったこと、燃料費が値上げされておりさらに高い。12月でこの額だと1月,2月はどうなってしまうのか今から恐怖です。

次に人の体力
まず除雪、雪が降れば朝6:30から1時間半くらいは除雪の時間となります。

ちなみに除雪ブルドーザーによる作業はまだまだ新米にも関わらず、私は観光案内所前の除雪を仰せつかったため、そちらにも時間がかかります。屋根の雪かきも溜まればやらなければなりません。

これらのお陰で身体は絞られ、細マッチョにはなるのですが(笑)
その後、館内の掃除、温泉の掃除などして昼になると、もう1日の体力を使い果たした感じになります。冬は送迎の頻度も上がります。スキー場への送迎、レストランも普段歩けるところも基本的には車で送迎。さらに、設備には神経を使います。日中でも最近は−10度を下回ります。水道管の凍結、設備がおかしくならないように、館内を温めるために、いろいろ気を配らなければなりません。そして、これは自らやっていることですが、冬の閑散期の利益を賄うために、スノーシューガイドツアーをしているため、これはもちろん凄まじい体力を使います。

過去のバブル期のように、ガンガン人が来て、冬の居候や住込のアルバイトを2,3人でもいてもらうような営業が出来るならまだ良いでしょう。現在Raichoは台湾からのワーキングホリデーで来ているMaoさんをスキー場兼Raichoのアルバイトで雇っていますが、今のスタッフに加えてプラス1人で精一杯です。居候といえども、光熱水費や食費がかかりますからね。Maoさんも本来はRaichoのみの仕事で応募がありましたが、平日はそんなに仕事がないからメインはスキー場という形でお願いしています。それでも1名いるだけで、朝の除雪などはほんと助かっています。

私は学生の頃、新潟のかぐらみつまたにあるみつまたロッジでアルバイトをしていましたが、年末年始だったということもあるかもしれませんし、Raichoと違って夕食も提供したので比較にはなりませんが、アルバイトが5人くらいいましたね。常にお客さんが多くて、アルバイトをしていたクリスマスから1月10日くらいまで毎日賑わっていました。ここもおそらく7割を冬で稼ぐのだと思います。

さて、先ほど光熱水費の話をしましたが、経営する上で抑えておかねばならないポイントが、損益分岐点ですよね。
Raichoで言うと冬は月100万ほどです。もちろんこれは、宿泊客が増えればさらに増えますが、利益にも繋がるので、最低限稼ぎたい売上を抑えておくことが重要ですね。この金額の中には、光熱水費や仕入、リネン、人件費、リース、保険、温泉利用料、借入返済など様々な運営コストが含まれています。しかしこれだけでは、スタッフの給料は出ても自分にはほとんど給料を出せる状況にはありません。

これもぶっちゃけますが、Raichoの平均お客様宿泊単価は1泊1人辺りだいたい5200円くらい(売店、朝食等の売上含む。ドミトリーも含めた平均)です。そうなると、先ほどの損益分岐点から月に何泊を目指さなければならないのかがわかりますよね。12月は半ばまで休館にしており、クリスマス付近も今年は微妙で損益分岐点以下、1月は昨年比3割増しくらいで損益分岐点より上、さらに自分が設定している目標にはあと少しという感じです。まだ計算はしてませんが、売上的には私の副業のRaicho主催のガイドツアー料金も会社の売上として計上しているので目標は達成付近かと思います。しかし1月の利益は結局12月の赤字分の補填で消えますね。ガイドツアーは来年は自分の懐に入れたいところ(笑)

趣味ではない、事業としてやるのであれば、こういった目標なり損益分岐点なりを数値化して達成度を確認していくのは経営としてはマスト。それを下回り続けていたら事業は成立しません。それをクリアするためには何をすべきかを考え、営業的な戦術を組み立てていく必要がありますよね。

試験的に営業した初年度冬は散々(笑)。土曜すら満室にならない状況。その時は一人でやっていたし、改装も自己資金だけでやっていたので借金もなく、生きていければ良いレベルでした。しかし今はスタッフもいて、いろいろ投資したお金を回収しなければならいのでそうはいきませんね。2年目の冬もまだ手探り状態でした。2月の平日は半分くらい休館にしていた気がします。そして3年目。少しずつ認知度も上がり、土曜はかなり前から満室になりますが、平日はまだまだ課題あり。それでも狙っていた主にアジア圏からの予約は着実に今年は増えており、2月はすでに昨年より予約数があります。目標にはまだまだですが。

それにしても、日本人はほんと土日しか動きませんね。特に3連休。1月、2月の3連休は一体何組の予約を断ったことか。。。少しでも休日分散してくれるとみんなハッピーなのですが。ここも仕方ないとして諦めるのか、何か策を講じるのかも自分次第ですよね。それが面白かったりするわけです。しかし、ほんとに土曜しか入らないなら、平日宿を閉めるというのも一つの経営戦略なのかもしれません。特に平日は1人、2人しか入らないこともあります。そのために受付からラウンジからあらゆるところの暖房のスイッチを点けなければなりません。完全なる赤字です(笑)。

ちなみにRaichoで言うと8人は入ってないとその日は赤字です(こういう数字も抑えておくのが重要ですよね)。しかし、私は平日を閉めてしまうということを”まだ”やりません。それをやってしまうと自分から何も策を考えることができないと諦めてしまうことを意味しますよね。平日に何度も冬に足を運んでくれるゲストもいらっしゃいます。その方々のためにも営業したいし、その平日閉めるという選択はいつでも誰でもできる。さらにそれを地域全ての宿がやってしまったらどうなってしまうか。。。私はまだまだ冬も可能性があると思っていますので、”まだ”それはしません。しかし数年トライしても平日厳しい状況であれば自分もしてしまうかもしれません。赤で経営はできませんので。1月中旬など、部分的には休館はあり得るかもしれません。

それでは、可能性の話に移りたいと思います。

最初に話をした乗鞍と白馬・野沢・志賀との差について少しまとめてみましょう。
1.スキーリゾートの規模(特に白馬と志賀はいくつもゲレンデのある)
2.アクセスの良さ
  白馬は成田からの直行便もある。新幹線長野駅からのバスも◎
  野沢は飯山まで新幹線アクセス、志賀も新幹線の長野駅からバスもある。
  スキーバスも豊富。
  自家用車のアクセスはそんなに差はないが、白馬は山道はない。
3.周辺観光
  白馬は微妙。
  野沢と志賀は地獄谷野猿公苑、野沢温泉、渋・湯田中温泉。
4.地域としての戦略(一番大事)
  白馬と野沢は村全体でとても明確な戦略が見える。

一方乗鞍は、規模が小さい(コンパクトで良いが)のと、リフトが古い、遅い、クワッドはフードもなくて寒い。そしてリフト開始時間が遅い、ナイターがない。というのが利用者からの声。
アクセスは公共交通機関を利用すると松本から電車とバス。車の場合最寄りの高速ICから1時間。バスも大阪から土曜のみ。今は主に昔からの乗鞍コア層と最近は松本近辺のファミリーが来ているという感じですね。地域という意味で言うと、白馬村や野沢温泉村、志賀のある山ノ内町は村、地域全体が観光産業に対してみんなが同じ方向を向いているように思えますが、乗鞍は松本市という大きい市に取り込まれてしまった所為もあると思いますが、なかなか見えませんね。

すみません、かなり悲観的なこと言いました。ダメなのか、、、。

いえいえ、そんなことありません。
ないものはないけれど、それに勝る魅力があります。
見方を変えると未来は明るいと私は勝手に思っています(笑)

ちなみに、お隣の岐阜県の高山は昔冬は閑散期だったって知ってます?それがこの10年くらいで冬も稼ぎ時に変わってきてます。乗鞍もそういう可能性を秘めていると思いますね(ただ観光客が増えれば良いとは決して思いませんが)。

さて、ここから気になる可能性についての私の意見ですが、少し長くなったので次回にしますm(_ _)m

Raichoは2月の土曜日は個室は全て埋まっておりますが、ドミトリーは空いている日もあります。平日ウェルカム!!

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