今回の旅は、実は乗鞍のお隣、奈川に住む友人の岡部君が、
「ふじえさん、ゼロ・ウェイストセンター行きません?」
という提案から実現したものだった。
予約が少なかった6月は、スタッフが交代で休暇を取る予定にしていて、本当は僕は北海道に行く予定だった。
しかし、このゼロ・ウェイストセンターへの誘いと、本当は3月頃に行きたいと思っていてすでにコンタクトを取っていた黒川温泉が重なり、今は学ぶ時期だと思い、行き先を九州・四国に変更したのだった。
岡部くん、チャンスをくれて本当にありがとう。
ビール職人になってね!!
目次
1.上勝町のゼロ・ウェイストの取り組みとは?
2.もう未来に「ツケ」を押し付けたくない
3.乗鞍高原での取り組み方
1.上勝町のゼロ・ウェイストの取り組みとは?
さて、乗鞍はゼロ・カーボンパーク第一号に指定されている。
それをどう形にしていくか、誰かがやらねばらないと思っており、僕はその一人になりたいと思っている。
すでにGiFT NORiKURAはサステナブルな乗鞍地域の中心的存在でありたいとの思いで、Going Zero Wasteや脱プラ、地産地消をスローガンにあげて取り組んできた。
これは僕の小さい頭から出てくるアイディアを形にしているだけで、スローガンにあげている取り組みを加速するためにもっともっとインプットが必要だと思っていた。
結果、予定を変更した九州・四国の山に登りながら素晴らしい旅となったのだ。
まずは前回のブログに黒川温泉の取り組みを紹介したのでこちらも合わせて参照願いたい。
1.上勝町のゼロ・ウェイストの取り組み
徳島県の小さな山間の町(というか村)の上勝町はすでに2003年から日本で初めて自治体として「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った。
この2003年に策定された上勝町町議会で満場一致で採択されたゼロ・ウェイスト宣言をぜひ読んでもらいたい。
そして、ゼロ・ウェイストを推進していくために設立された、NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーによるゼロ・ウェイストとは?という文章もぜひ読んでもらいたい。
2003年の段階で2020年にリサイクル率100%を目指していて、現在は80%という素晴らしい結果になっている。ゴミは45もの項目で分別を行なっていて、リサイクル率を上げていくと共に、これらの取り組みを広げていくため、住民がゴミを持ってくる収集場と合わせてゼロ・ウェイストセンターを立ち上げた。その隣には昨年2020年の5月に「Hotel WHY」も誕生した。
詳細の取り組みは、NPO法人ゼロウェイストアカデミーと世界から勉強のために訪れる、KAMIKATSU ZERO WASTE CENTERのWebサイトを参照してもらいたい。
NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミー
KAMIKATSU ZERO WASTE CENTER
そしてゼロ・ウェイストセンターを訪れ、ゼロ・ウェイストアクションホテル
Hotel WHYに泊まって欲しい。僕は今こそ、どんな旅よりもこの地に泊まり滞在する旅を薦める。
以下、Hotel WHYより
WHY do you buy it?
WHY do you throw it away?
なぜそれを買うのか?
なぜそれを捨てるのか?
私たち消費者は問いかけられます
WHY do you produce it?
WHY do you sell it?
なぜそれを作るのか ?
なぜそれを売るのか?
私たち生産者は問いかけられます
上勝町ゼロ・ウェイストセンターでは、WHYという疑問符を持って生産者と消費者が日々のごみから学び合い、ごみのない社会を目指します。
こんなことを深く考えるきっかけを与えてくれるHotel WHYの滞在は本当に素晴らしかった。
さらに、クラフトビール工房とゼロ・ウェイストアクションを行なっているレストランである
RISE & WIN BREWING
もぜひ訪れてもらいたい。ビールもめちゃくちゃ美味かった。
2.もう未来に「ツケ」を押し付けたくない
僕らは毎日、未来に「ツケ」を残す、押し付ける選択をし続けている。
誰かが搾取されている、誰かが得する効率化、利益追求した結果生まれた、真実を隠した物に溢れている。
意識はしているが、僕自身も普段からまだまだよくわかっていない中で、物を買ってしまったり、捨ててしまっている。
でももう、「ツケ」を未来に押し付けていくのは辞めなければならない。
それはそれは、とても面倒な道だ。
汚れがこびりついているものを綺麗にする作業。
上勝町の細かい根気強い分別作業と一緒。
でも誰かがやらなければ、美しい地球は汚れで腐ってしまうだろう。
テクノロジーが解決してくれる?
それはあるかもしれないが、そんなのあてにしている場合ではない。
僕ら一人一人のできるところから取り組む。
そうしないと自ら破滅の道を進むだけ。
資本主義経済の中で、押し付けられた豊かさの基準は、豊かだったのか?
江戸時代のような生活に戻れとは言わないが、豊かさという定義は変えていきたい。
さて、ではどうやって取り組んでいくか。
3.乗鞍高原での取り組み方
そもそも乗鞍高原では昔は自給自足をしていた生活があり、今もその暮らしが数多く残っている。それを一つ一つきちんと光をあて、継承し、さらに発展させる取り組みを行う必要がある。
そして、乗鞍高原は、海外から訪れる方や、海外の自然豊かな場所を訪れた方でも、「乗鞍の自然の豊かさは世界に誇れる」と言う。
今回訪れた黒川温泉と上勝町両方ともに、「自然豊かな場所」であり、素晴らしかったが、違いとしては、やはりその自然豊かさが圧倒的だった(比べる必要はないけれど)。
日本ではあまり馴染みのない国立公園に指定されていることで、人々の暮らしがありながら自然景観が圧倒的に素晴らしい。
だからこそ、僕らここに住んでいる者、ここを利用して楽しんでいる人たちはこの自然を未来に残していく義務がある。
まず乗鞍では黒川温泉や上勝町の取り組みは全て真似た方が良いし、今の暮らしで当たり前にやっていることを、一つ一つきちんと光を当て、継承し、発展させるようにする。
それだけで10年以上かかるかもしれないが、まずは先進地に追いつくためにやるべきことをやった方が良いだろう。
それに合わせて、オリジナリティーというか、乗鞍ならではの世界にサーキュラーエコノミーやサステナブルなライフスタイルを提案していくなら、”その一つは”
サステナブルツーリズム
なんだろうと思う。
乗鞍は誰もを受け入れてくれる優しい場所であり、それは乗鞍岳の山容からいつも僕が感じ取っていること。
乗鞍の自然や温泉を目当てに訪れる方々が、乗鞍に滞在しながら、「日々のライフスタイルを少し変えていこう」、そう思えるような体験を乗鞍高原で提供していくような取り組みをしたいと改めて思った。
今回の旅はその方向性の再確認ができた旅でした。
そして、同じような方向を向いてアクションを取っている人たちが、大勢いるということがわかったのは、僕に取って一番の収穫だったかもしれない。
ということで、
実は、今年環境省の補助金で「乗鞍サステナブルツーリズム造成」という事業を応募して採択されています。雷鳥が事業主となり、のりくら観光協会と旅を広める会社で同じ想いを共有している株式会社TABIPPOと共同で事業を進めていきます。
7月15日〜18日に「サステナブルキャンプツアー in 乗鞍高原」を実施し、未来を見据える若者を呼んで、どのようなツアーにしていくべきか一緒に考えます。
答えのない取り組みであり、苦戦が予想されますが、
乗鞍、環境省、松本市、TABIPPOの皆様一緒に取り組みましょう!!
最後に、今回旅に誘ってくれた岡部くんと、乗鞍を愛する地元出身のGAKUさんが将来乗鞍産のクラフトビールを生産していくことを夢見て、乗鞍産ホップの生産を増やすための取り組みに関するクラウドファンディングを実施中です。
乗鞍地域に新しい地産地消の産業が生まれていくのは、乗鞍地域のサステナブルに直結しますので、ぜひ応援ください!!
詳細は以下の画像をクリックするとクラファンのページに飛びます。