Raicho Inc 事業計画の言語化

人生をかけて取り組みたいと思っていたことのスタートラインに立つまで、30年以上かかった。

改めて僕のこれまでを振り返る。

雪が好きなことから天気に興味を持ち、地球温暖化に関心を持った小学生時代。中学3年の時に気候変動枠組条約締約国会議、京都議定書が発行され、世界がこれから地球温暖化防止に向けて取り組むんだと大人たちにとても期待していた。

高校生の頃から地球環境に関わる仕事がしたい、気象学について学びたいと思い、大学は環境系と気象学を学べる国立大学進学に向けて、高校3年の時は友人との遊びは断って勉学に励んだ。

新潟大学理学部自然環境科学科に無事現役で合格し、自然科学全般を学べることに喜びを感じていた。しかし、在学中、自分がどう地球温暖化問題に関わって良いかわからなかった。
研究?教師?国?国連?企業?なにを目指したら良いんだ?

その間に京都議定書の削減目標の実現は難しくなり(そもそも不十分)、地球温暖化対策は技術面での燃費向上や省エネ技術などは進んでいたが、地球全体のCO2排出量は増えていく一方だった。大学で色々学んだけど、何をして良いか全然わからなかった。

自分の無力さを感じた。

公務員試験や教員採用試験の過去問を見て、暗記というような勉強に意欲がわかず、自分には無理だと思ったし、公務員や教師も一般企業の社会人経験が必要だろうなと思っていた。

就職先を探したけど、企業イメージのためにおまけ的に取り組んでいる企業しか見つけられなかった。技術屋には向いていないと思った。

そこで僕は啓発をしたいと思い、早くからマスコミ就職を目指して就活を開始し、大手テレビ局で環境に関わる番組製作をしたいと思っていた。しかし、この使い勝手の悪い若者は悉くマスコミから落とされ、僕は呆然として、ストレスから帯状疱疹にもなった。挫折。。。

そんな時、姉からこんな会社があるよ、と紹介されたウェザーニューズ。

説明会に参加してみたら、「ここだ!!」と思った。
天気なので自分の興味のある分野で自然環境に関わることではあったが、ウェザーニューズは当時はまだベンチャー気質バリバリで何より僕自身が強くなれる、成長できると感じた。まずは強くなろう。

ウェザーニューズのある千葉幕張のテクノガーデン

実力主義・年俸制の10年間、とにかく修行だと思った。
最低5年、できれば10年やろうと心に決め、本当にストイックに仕事に向き合った。とても大変だった。営業の仕事はとても楽しくやりがいがあり、成果を出せば評価をしてくれた。成果を出すと、次々新しい大きなミッションを与えてくれて、自分の成長に繋がった。

1年目で年間最多契約獲得、3年目で年間最高売上賞を受賞した。香港、シンガポール支社の立ち上げ、震災後の仙台などの場を経験した。10年を経て僕は自信をつけることができた。そして、6年前の2015年に、学生時代からの夢の一つであった温泉宿をやるために独立の道を選んだ。
過去の経緯はこちらから。

雷鳥に巡り合うまで 前半

ゲストハウス雷鳥の露天風呂

まずはゲストハウス雷鳥の事業を軌道に乗せることに集中し、山奥暮らしを楽しみながら、これまた仕事に励んだ。

インバウンドの波に乗り、事業は順調に成長。
少しずつやりたいことができるようになってきた。乗鞍がどんどん好きになり、この地で暮らせることに感謝し、高齢化と人口減少が進むこの地域をなんとか持続可能にしたいと思うようになった。

そんな中、2019年にのりくら観光センター内の店舗が撤退し店舗が空いた。
のりくらの中心地を空洞化することは避けたいと思い、何かをやらねばとの思いで、GiFT NORiKURA Gelato & Cafeを立ち上げた。

カフェをやると決めた時、僕はニュージーランドを歩いていた。せっかくやるのだから、何かメッセージ性のある店舗、世の中を変えていくような店舗になりたいと思った。以下のような看板にも出会い、今こそ表現する時だと思った。

ゲストハウス雷鳥は事業継承を経たということもあるので、事業の基盤作りとあるものを少しずつ最適化していくことに注力した。なので今も理想に向けて進化を続けている。

しかし、カフェは一から創ることができるため、初めから崇高な理想を掲げ、コンセプトに沿った、カフェを立ち上げることことにした。

サステナブルアクションカフェ
乗鞍の恵、贈り物、GiFT

サステナブルな乗鞍地域を目指すために、サステナブルに繋がる小さな一歩を乗鞍を愛しながら積み重ねていく。GiFTのiが小文字なのは姉の提案。小さな愛を積み重ねるという意味。

GiFTのスローガン
・Going Zero Waste
・地産地消
・売上の一部を地域の環境整備に活用

どんなことをしているかをここで一つ一つは説明しないが、乗鞍愛があるからこそ取り組めるアクションだと思っている。特に地産地消は愛が必要。

のりくらやアルプス地域の生産者の皆さん

地球環境問題に取り組むことや「本当に良いものを提供する」ということは本当に難しく、非効率で面倒で手間がかかり、利益だけを考えたら、足踏みするようなことばかりである。

理想と現実のギャップを日々目の当たりにする。
僕らが努力したとしても、消費する側がその努力や価値に気付いてもらうにはどうしたら良いだろうか。ここができていない、こんなではスローガンに恥じる。といつも思っている。
それらは自分の理想のライフスタイルとも重なる。

しかし、できてないことは沢山あるけれど、できていることを認めていこうといつも思っている。
「現実はドラマチックには変化しない」というウェザーニューズの創業者の石橋さんの言葉が苦しい時にいつも僕の頭に浮かぶ。

もう課題を先送りにしたくない。誰か頼みにしたくない。
自分が死んだ後に結果が出ることでも良いから取り組まないと。
そういう想いでやっている。

培ってきたビジネススキルのお陰で、まだまだ足らないところや課題も多いが、なんとか事業になっている。

そしてさあこれからだという矢先、コロナ禍となった。
しかし、これはチャンスだと思った。

ゲストハウス雷鳥は、元々現代版の湯治宿を目指したいと思っていた。しかしこれまでは長期滞在を提案しても人々は見向きもしてくれなかった。日本人の休暇の過ごし方は、観光地も旅行者もハッピーではない。だからいずれ旅行の大量消費的な感じは変わっていくだろうと信じていた。

コロナでライフスタイルが見直しされて、自然豊かな場所である期間過ごすようになると確信した。ワーケーションという言葉も出てきて僕は去年から一気に長期滞在に舵を取っている。何より、のりくらという場所は、長期滞在に日本一と思うくらい向いている土地。さらに長期滞在のような旅のスタイルは、旅行全体のCO2排出削減にも繋がることは明らか。
のりくらリトリートワーケーション

そして、次の波が来る。
環境省の中部山岳国立公園のメンバーが本当に素晴らしい想いで乗鞍の地域作りに取り組み、松本市がアルプスリゾート整備本部という新しい部署を立ち上げ、この地に力を入れることになった。

GiFTの取り組みが認められ、小泉環境大臣、松本市長、環境省中部山岳国立公園所長との対談が実現された。

さらに、今年3月に環境省が乗鞍高原を国立公園におけるゼロカーボンパーク第一号として認定した。長野県や松本市は気候非常事態宣言を出し、2050年にゼロカーボンを目指すことを決意している。

もうこれはやるしかないでしょ。
30年という時間を経て、ようやく目の前に、地球温暖化問題に取り組むチャンスが巡ってきたのだ。

2021年8月有限会社ホテル雷鳥は、Raicho Inc (有限会社Raicho)となった。

昨年から今後サステナビリティーを推進していくためには、これまでのように一匹狼ではできないだろうと思い、苦手だった積極的に外部と関わることに取り組み始めた。その結果、僕の希望でありパワーの源となるような人たちと出会い始めている。

TABIPPOさん
(未来の旅を創っていく企業)
TABIPPOさんの周りの旅人コミュニティー,そして POOLO
(POOLOの理念が素晴らしくメンバーが優秀で素敵すぎる)
やまとわさん
(やってることが全て素敵すぎる)
黒川温泉旅館組合事務局長の北山さん
(とにかく30年ビジョンが素晴らしいのでリンクチェック)
LOCAL LETTER 株式会社WHERE
(地域作り、地方創生に本気で取り組む企業)
Living Anywhere Commons 株式会社LIFULL
(未来のライフスタイルを創っていく)

TABIPPOさんとPOOLOと共に行ったサステナブルツーリズム造成キャンプ

などなど

きっとこの先も志を共にする様々な方と出会っていくだろう。

また、今の原動力の一つとして、TABIPPOさん繋がりでコーチングコーチにも出会い、月一で兼若さんのコーチングがある。

ぐわーっと行く時期だからこそ、第三者目線でコーチに向かう先を引き出してもらい、将来像を詳細にイメージできるように導いてもらっている。

ちなみに、コーチの兼若さんが8月と9月にオンラインコーチング体験を2980円という超破格で実施しているので、めっちゃオススメします。詳細は以下のリンクをクリック。

https://bit.ly/3s2V8N6

そんなこんなで今後Raicho Incで目指していくことを言語化します。

本当の意味での起業なのかもしれません。

名実ともに乗鞍高原をゼロカーボンパークとなるべくアクションをし、ゼロカーボンを実現するための叡智を結集するためのハブや原動力となる。その過程で、サステナブルな乗鞍地域を実現していく。

その取り組みを松本市全体に広げていく。そしてゆくゆくは同じような自然環境に恵まれた世界の自然観光都市に広げ、世界中の人とサステナブルな社会を目指す。

そのために以下の5つに取り組む

1.ゲストハウス雷鳥の進化

  • これまでのコンセプトの「自然にかえる宿」として長期滞在を中心とした自分と向き合う時間を提供する宿
  • 自然の中を歩く、山を歩く喜びを共有しあう宿
  • 滞在する方が、サステナブルな乗鞍の地域作りに共に取り組む宿
  • 企業や他の地域の方々がサステナブルな地域創りを学んだり、経験や知識を共有して、コラボレーションが生まれ、次なるアクションを共に目指す宿

これらに向けて様々な変化を起こしていく。

2.GiFT NORiKURAの進化

  • GiFT NORiKURAは名実共に国立公園のサステナブルアクションカフェのモデル店舗へ。GiFTがのりくらのゼロカーボンやサステナブルな地域作りの原動力となる。
  • 地域と協力して食材の地産地消率を上げていく
  • 食品の地産地消のみならず食器なども地域材を活用
  • エシカル商品の販売・啓蒙
  • ゴミゼロに向けた仕入れ、オペレーションの改善
  • 無料給水スポット、マイボトル利用の取り組み強化
  • コンポスト、GiFT直営農場
  • 地域材を活用した体験の提供
GiFT NORiKURAの取り組みが描かれた黒板 相馬さん制作

そして、数年以内?に松本市街地への出店による市街地でののりくらの発信・アンテナ機能を持つ。

3.持続可能な魅力的なトレイル整備

  • のりくら高原内を車移動するのではなく歩く、自転車に乗って観光するスタイルの確立するためのトレイル整備。
  • コミュニティーやサポーター制度を運営して、地域外と共にトレイルを維持、発展させていく方法を確立。
  • 眠っているトレイル、魅力的な新たなロングトレイルなど整備。
  • 一の瀬等の地域材を活用したベンチ作り、トレイル整備の仕組みを文化にする。9月11日・12日でやまとわさんとベンチ作りのイベントやります!!
一の瀬で伐採した木をチップにして作ったトレイル

4.サステナブルツーリズムのモデルを作る

  • 観光の価値を提供する側(観光事業者)と利用する側(旅行者)の垣根をとっぱらい、自然も観光事業者も旅行者も喜ぶ旅行を提唱する。
  • 特に地域課題の解決を体験コンテンツ化、学びやライフスタイルに繋がる
  • 体験の提供、CO2を排出しない観光・宿泊施設での滞在のあり方を作っていく。
サステナブルツーリズム造成キャンプで行った外来種駆除

5.サステナビリティー領域でのRaicho Incの企業価値を高める

1~4を通して、Raicho Incを魅力的な企業に作りあげ、若い人たちが憧れて、こののりくらという地を訪れ一緒に取り組みたいと思う企業集団を作っていく。その結果、ゼロカーボン、サステナブルな地域作りのための様々な新しいアイディアが生まれ、志を共にする仲間と日本は元より、世界に向けてサステナブルな社会作りを提案していく。Raichoの企業価値が上がれば、のりくらに人が集まり持続可能になる一番の近道だと思っています。

乗鞍に導かれ、環境のシンボルである「雷鳥」という名前を引き継いだのは運命だと思う。雪予報があると、窓の外を時間を忘れてずーと眺めて、雪が積もったら一日中、外をはしゃいで歩いていた小学生時代の自分が思い出される。

雷鳥の写真 Photo by 相沢亮

僕が果たす人生の役割が目の前に広がっている。
まもなくこれらを言語したRaicho Incのコーポレートサイトをリリースします。
こちらはTABIPPOで出会った篠原さん、映像クリエーターの智くん、そしてRaichoのスタッフであるスグルくん中心に制作中です。楽しみ!!

さて、最後に告知ですが、8月20日に、信州環境フェアに登壇します!!
やまとわの奥田さんと一緒です。光栄です!!

信州環境フェアはオンラインlive中継がありますので、ぜひご視聴ください。

信州環境フェアイベント詳細↓
https://shinshu-kankyo-fair.com/event01.html

いつも長くてすみません。。。
というわけで、フェアに登壇するためにも頭の中を整理したのでした(笑)

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