4年目に予約サイト依存からの脱却を目指して

前回のブログの続き、後編に行く前に、、、宿泊業が抱える一つの課題について触れます。

夏のピークを過ぎて、恐ること、
それは予約サイトへの手数料の支払いがいくらになっているか。

今一番依存している◯ing.comは手数料13%。
素泊まり3500円(税込)のドミトリーでは、280円が消費税で420円が◯ing.comの支払いとなり、収入2800円。
素泊まり家族4名で20000円(税込)の個室では、1,600円が消費税で2392円で◯ing.comの支払いとなり、収入16,008円

HPや直予約導線を整えているため減ってはきており、お盆は7割はHPなどの直予約。それでも8月は前半はBooking.comに頼っているため、8月の支払いは確実に10万以上となります。

皆様、これは宿泊施設だけではないですが、予約サイト(◯天・◯らん・◯ing.com・◯ペディア等々)は検索だけに使って、予約はHPからなど直接して頂けると宿泊施設側は大変嬉しいのです。

手数料の分、上乗せすればいいんじゃないか、という考えはごもっともですが、多少上乗せする部分もありますが、競争もある中で手数料を賄うだけの上乗せが確実にできるかというとそうでないこともあります。そしてそもそも価値の部分でこの価格だったら妥当だという考えで価格設定しているにも関わらず、それを上乗せすると、価格妥当性が狂ってきてしまいます。それが後で述べるコストパフォーマンスの評価に影響してきます。

現在のところ、これらの宿泊予約サイトで成り立っているところもあり、頼らざるを得ない状況で、むしろお世話になっている。なのでこのような発言は失礼なんですが、予約サイトに関わらず、◯クルートなどが提供する、これらのプラットホームビジネスが私は好きではありません。

消費者からするととっても便利なツールなんですが、サービス提供側・生産者にとっては、搾取されている感があります。もちろん、営業面や販路で苦戦している場合は、サービス提供側・生産者にとっては有難い部分もあります。しかし、私はそれらにビジネスを「支配」されている感が強いです。

彼らはネットで一旦使いやすいプラットホームを作れば、あとは自ら仕入れや苦労をしなくてもチャリンチャリンお金が入ってきます。もちろん何もしてないわけではありません。利用者(ゲスト側)が使い勝手の良いように、プラットホームの改善を日々行い、もちろん、カスタマーサポートという運営を行っています。

しかし実態は、彼らの本来のお客様であるはずの宿泊施設側からメールをしても3日くらい放置されることは当たり前、電話しても常に5分くらい待たされる。キャンセル料の徴収は宿で勝手にやれというスタンス。こちらの要望を聞くことはほとんどなく、自分たちの手数料が入りやすい仕組みをどんどん作る。
パートナー施設といいながら、パートナーという姿勢を感じたことは正直ありません。

楽天はそれでも良い方、◯らんはあまり好きでないのでやってないのでわかりませんが、◯ing.comのサポートはほんと最悪です。

そして、、、極め付けは、宿側が評価される口コミというものに、また支配される。。。

この口コミというのがまたいろいろあるんでよね。
もちろん、利用者側からすれば、とても参考になる情報だと思います。宿側としても、改善すべき点が見つかり、参考になる場面ももちろんあります。

しかし、例えばこんな勘違いがもあります。

例えば、◯ing.comでは、乗鞍・上高地エリアも松本市で検索されます。
海外からのゲストでこんなことがありました。

「松本で予約したのに、松本から1時間以上かかった、夜になると真っ暗で何もすることがない」
とレビューに書かれ、ロケーション等が最低の評価を受けたことがあります(笑)

同様に、終バスを乗り過ごしてタクシーで来られたゲストから、
「タクシー代に18,000円も払った、なんでここが松本なんだ」
とチェックイン早々、クレームを頂いたことも(笑)

ちなみに、松本駅から32kmと表示され、重要事項に必ずバスの時刻表を確認して下さいと記載しています。

その他には、
こちらは日本人のゲストですが、
「セルフ朝食がほんとにセルフで自分でやらなければならなかった」
と書かれ、サービス面で評価が最低だったこともあります(笑)

もはや笑話ですが、それで低い評価が加算されり、クレームをもらうと、なんて言うか、やるせないですよね(笑)

私も食べログの評価を見てお店を選んでしまうところもあるので、あまり言えない立場ではありますが、評価というのは、それぞれの価値観や情報収集に依存することが多いですよね。何をもって価値があるか、過剰なサービスを求めないシンプル派には自在に滞在できるスタイルに価値がありますし、手厚いサービスをおもてなしと考えている方では、旅館の至れり尽くせりに価値を感じますよね。もちろんコストパフォーマンスの観点も重要。私がゲストの立場だったら、価格とサービスをどう思うか、いろいろな立場でどう思うかを考えます。私も年に1度くらいはある程度お金を払って、手厚いサービスを受けてみたいです。

ゲストハウスは、旅館のサービスが当たり前だと思っている方には、「最低限」「セルフサービス」という宿泊形態は、体験したことのない未知な世界であって、評価のみで選んでしまうと、求めることとのギャップが生じてしまいます。
お陰様で手前味噌ながら、現在評価が高い方ですので、評価のみ見て来られるゲストもいて、サービスとお客様のイメージとのギャップがある場合があり、そういう場合、評価が低いケースが多いです。ある意味それは現状で私が予約サイトに頼っている部分があるので、仕方のないこととして受け止めるしかないと思っています。

これらの観点から何が言いたいかというと、
宿側とお客様側の価値を共有することが大切だということですね。ギャップが生じると、お互いにとって良くないということです。宿側からすれば、こういう方々に泊まってもらいたいなという想いがあると思います。そこにターゲットをフォーカスしてその方々に来てもらうための特徴を出し、サービスを強化して、広報なり営業活動を行い、価値を共有するリピーターや、HPからの直予約率を高める必要があるということです。
様々な人が閲覧する宿泊予約サイトでは、発信する内容が決まっており、情報発信に限界があるため、価値観を共有するのは難しいのが現状です。

よって、宿側とお客様側双方にギャップがほぼなく、ハッピーになれるのが、やはり「宿がまず特色を持つ」こと、そしてHPなどの情報発信を強化して、予約サイトの数ある中から選ぶというよりは、宿のサービスや特色に共感し、この宿を目指してもらうということが重要なのだと思います。
私も海外旅行の時に予約サイトを使ってしまう場合がありますが、使う場面を想定すると、消去法に近いんですよね。その海外旅行の際(国内でもそうですね)に、どこまで宿に重きをおくかは微妙な場合もあります。ただし、3、4泊するなら単純な条件設定の消去法ではなく、きちんと情報収集して滞在先を選ぶと思います。

自然環境や場所を考えると、滞在する中で得られる満足度は連泊やロングステイのゲストが確実に高いのと、ここ乗鞍に滞在する意味が深まると思っているので、ターゲットにしているというのももちろんありますが、上記観点からも私は連泊、ロングステイのゲストに来ていただけるよう、サービスや情報発信を強化したいと思っています。その一つの取り組みで先日、フライヤーを一新しました。お盆の忙しい時期に入ってしまい、まだできていませんが、これから関係する場所に発送し、我々が提供するサービスを求めているゲストの手に取って頂きたいと思っています。

ちなみに予約サイトの中でも一つだけコンセプトが別格なのがAirbnb
これは私が大切にしている旅のコンセプトと合致しており、ゲストとホストとの関係性が対等、そして手数料もゲストとホストがそれぞれ分担しており、気持ちの良いサービスです(最近、競合が増え、少しお金儲け感が出てきましたが)。

なので、結論ですが、Airbnbだけは引き続き続ける予定ですが、他の宿泊予約サイトから脱却するために、3年目の来年は予約サイトへの部屋提供はかなり制限をかけ、4年目は依存から完全脱却するために、Airbnb以外は辞めようと思っています!!
なので、ご予約はHPなど直予約でお願いします!!!!!
かっこよく言いましたが、手数料の支払いの負担が結構大きいのです(笑)
手数料など払わなくて済むのであれば、広告代理店などに支払う料金も減り、最安値を維持できて皆が喜びますよね。

一応、現在もHPなどに力を入れているので、直予約は40%を越えてきています。海外からもHP経由で予約が入るようになってきました。しかし現段階でゼロにすると、予約が激減するでしょう。それをあと1年ちょっとで直予約を80%、20%くらいをAirbnbにしたい。

これは、とっても重要な取り組みだと思うんですよね。
我々ホストとゲストの本当の出会いを追求していくこと。
Raichoにしかない特徴を見出し、それに尖っていくこと。
これはビジネスとして継続的に成立していくためには本来やらなければならないことなんだと思います。
なので退路を断つ!!

先日のブログでも言いましたが、ほんと街中でゲストハウスをやらなくてよかったと思います。
今日来られたゲストは大阪のゲストハウスで働いているらしいですが、経営が成り立たないため、3ヶ月でオーナーチェンジ。
新しいゲストハウスが1泊1500円ですよ。大手不動産会社などがかなり手を広めている現状。大阪とか、凄い状況ですね。
もはや、オシャレで素敵なゲストハウスでは、通用しないです。

「自然にかえる宿」 Guesthouse Raichoも頑張りまーす。

さて、紅葉の時期が近づいてきました。
2017 紅葉シーズン間近
海外からは3、4泊の予約が多く入ってきています。が、Booking.comが多い。
平日も埋まってきてますので、紅葉と温泉でゆっくり過ごしたい方、ご予約お待ちしております。

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