リクルートスーツを着るのを辞めません?

晩秋の乗鞍高原、カラマツの美しさに目を奪われ、それももうすぐ終わってしまう寂しさも感じています。

先日、映画、ブレードランナー2049を観ました。
映画が終わったあと、いろいろ考えてしまって、その場からすぐに立てませんでした。良い映画とか、感動する映画とか、楽しい映画とか、そういうカテゴリーではない深い映画です。娯楽を求めにこの映画を見るのであれば、オススメしません。

この映画を観て、いくつか感じたことがあります。
その一つが今後の仕事について。

なので今日はこれから就職活動しようと思っている学生へ、また転職を考えている方や今の仕事に迷いのある方に「一つの」考え方、見かたをお伝えできればと思っています。

私は一般的なこれまでのような就職・転職の在り方はそろそろ終わるのではないかと思っています。

いきなり少し強烈なこと言いますが、
どこかの合同就職説明会に出店している企業、ヨーイドンで始まる就職活動で学生を募集する企業は、ほぼと言って良いと思いますが、企業側は学生や転職してくる人を単なる労働力としてしかみていない。企業側はそう思っていないというか気づいてないことも多い。きれい事は沢山ならべるけれど、日本の多くの企業は利益を出すための歯車を回すための労働力を探しているだけなのではないかと思います。もちろん、今の社会においては、それがないと社会が回らないというのも事実です。
就職して、新人研修という名の洗脳期間が終わり、人事部主導の希望は一応聞くけど結局勝手な配属決定で仕事をはじめる。これは、ただ企業側が学生なり新人を仕事をするロボットとして雇っているにすぎません。学生側も同じ服来て、同じような対策して面接などして、自分から経営者にとって都合の良いロボットになっているだけです。

先日もとある経営者が集まる会合でスタッフを雇うという話になった時に、ある経営者が新卒が良いと言ってました。

「新卒は真っ白でしょ、何も不純なものがないから新卒が良い」

私は愕然としました。
要するに、経営者が自分色に染められるってことですよね。。。

前の会社でもある方がこんなことを言っていたのを覚えています。

「新卒で就職するということはRe-bornだ」

その時は年上の人の言葉を真に受け、そうだなと思ったのですが、今となれば怖いですよね。企業が個人を新しい人物として飼いならしてくと言ってるようなもんですよ。

これからは自分の個性や得意なこと、自分のもっている技術との単純なマッチングになると思います。だから、学歴とかほんと一切関係なし。
その人と企業がマッチングするなら中学生だって仕事ができる時代だし、中学生で起業した、なんて人も出てくると思います。
歯車になるような仕事はロボットや人工知能に変わり、その人がやりたい仕事と、企業が求める仕事が重なる時に、そのままその仕事をやってもらうような感じになっていくと思いますね。
しかも、個人は何社とも契約を結んでいる。なんて人もいるでしょう。それは雇用という契約ではなく、結局ビジネスなんですよね。自分のもっている特徴や技術、時間で企業と契約してお金をもらうというビジネス。

学生のみなさん、リクルートスーツを着るの、辞めません?
それを求める企業はこれから時代遅れになると思います。採用活動でそのリクルートスーツを着て、企業からは個性を見せろと言われるけど、それは使える人間かどうか判断されているだけですから。企業に雇われてからは結局ほとんど個性は見せられません。リクルートスーツを着ているあなたは、私は個性のない、まっさらな人間ですので、自由に染めて下さいと自分を差し出しているようなものです。ただし、自分が労働力としてでも生活のためにお金を得る必要があるならもちろんそういう選択肢もありです。またその労働を一つの過程として次のステップに踏みたいとかそういう理由であれば全然ありだと思います。

仕事とは何か、それは本来自分が得意としていることややりたいことであるはず。そして仕事よりもまず大事にしたいのは、個人の価値観なりライフスタイル。それがあってこそ仕事があるはずです。しかし、今の日本の企業で雇用されるとまず、企業の都合、そしてその企業の仕事が先に来てしまいます。新人のうちは様々な経験を積んで、成長して、いつかはやりたいことができる、なんていうのも全部企業側の単なる都合。ただし、今の会社や仕事が完全に自分とマッチングしているなら問題ありません。

これからの時代は、先ほども言いましたが、

「個人が企業もしくは個人と個人ができることで契約を結ぶ」
「個人で事業を起こす」

という形態になるのではないかと思います。
そこには雇用という観点ではなく、ある仕事としての契約です。

もし、自分がやりたいことがあってもすぐにできないのであれば、その理由はなんですか?

専門知識・技術が不足してますか?
プログラミングなど何かの技術ですか?
コミュニケーション能力ですか?
お金ですか?

このようなそれぞれの理由に向き合うしかないですよね。
企業でそれを習得するのも一つの方法。でもそう思っている(習得する)ことが大事です。ちなみにお金であれば、もちろん最低限は必要ですが、しっかりとビジネスが成り立つ計画が立てられれば資金を得る方法はいくらでもあります。お金を問題にしている人がいれば、それは単にまだ自分に自信がないだけ。

ちなみに私の場合は、就職=「一人で稼げる力を習得する」でした。
過去のブログにも記載がありますが、早く稼げるようになりたかった。また一人で起業しても軌道に乗せられるような自信を得たかった。一歩引いた目で会社を見れていた部分もありますが、洗脳されてしまったこともたくさんあります。ただ、一つ言えることは、企業に勤めるのは、10年くらいかなと就職活動をしながら考えていました。就職活動の時に自己分析をやると思うのですが、そのノートの人生計画の中には、30歳で退職し、32歳くらいで温泉宿をはじめると書いてあります。少し時間のズレはありますが、だいたいそんな感じになりました。
なので、営業職で携わる様々な仕事は、起業にはどのような観点で役立つのかをいつも考えていました。だから、自分の興味がない仕事でも、その観点(起業)で興味を持つようにしていましたね。そういう意味で自己分析(自分を見つめ直すこと)をしっかりやった就職活動という部分はよかったのかもしれません。

ちなみに何度も言いますが、前の職場にはほんと感謝してます。
入社から5年目くらいまではベンチャースピリットで沢山の良い経験をさせてもらえ、それが自信にもつながったので、ほんとに感謝しています。

ここで5年目と言ったのには理由があり、5年から10年目ももちろん様々な経験を積みましたが、もしかしたら、5年目にはすでに必要な力は得ていたかもしれません。それほど充実した5年間でした。ただ、最低限のお金を得るという意味で、私は3年目まで湯水のように稼いだお金を使って貯めてなかったので(笑)、資金を貯めるという意味では10年必要だったかもしれませんが、それも今思えば、借入が増えたかもしれませんが、資金を得る方法はいくらでもあったなと思います。そして、私の中の10年という人生計画のノートが邪魔したかもしれません。そして私も、安定というものを手に入れたいという想いももちろんありました。そのまま勤めていれば、ある程度の年収を得られて、それなりの生活が保証されていた、と当時は思っていましたから。今となればそれは安定でも保証でもなんでもなく、ある線路を歩いている安心感だったのですが。

さて、ここまで偉そうなことを言って、自分の会社はどうなんだろ。
すみません、その理想に近づけるように努力している最中です(笑)
なので私の都合になってしまっているところも多々あります。。。すみません!!もう少し時間を下さい(笑)

自分の会社の場合、前回のブログにも記載しましたが、週3日(年156日)勤務という時間で対価を得て最低限の生活のお金を得たいと思っている人、そして旅人へのおもてなしや様々な価値観を持つ旅人との出会いに興味のある人というのがスタッフとして集まるといいなと思っています。そして一番大事なのはやりたいことは別にもあり、そのやりたいことは週3日以外の部分でどんどんやってもらったり、技術なりを習得してもらい、それに自信がついたり、最低限のお金が必要ないくらいになり、この雷鳥での仕事が必要なくなったら、その道にどんどん突き進みたいと思っている人です。なので、一つのステップとして、やりたいことの準備期間として、ここで仕事をしてもらえたら良いなと思います。そういう人が集まると、お互い刺激しあって、面白い何かが生まれる可能性もありますよね。もちろんこの仕事が好きであれば、複業の一つでその後も続けてもらっても構いません。私は旅人と交流するのはとても好きなので、複業の一つとして一定期間続けると思います。

なぜこのように考えるか、、、それは今のGuesthouseの仕事を解体すると、
旅人のサポート、朝食準備、そして一番労力がかかるのが掃除です。大規模宿泊施設で分業しているわけではないので、どれか一つやれば良いというわけではなく、全部やらねばなりません。
もちろん、掃除のスペシャリストになりたいと思っているなら別ですが、なかなかいないはずです。もしいらっしゃたら雷鳥はウェルカムです!!
旅人のサポートや、料理が好きなら朝食の提供はやりたいこととしてできるかもしれませんね。でもそれだけというわけにはどうしてもいきません。なのでどこかしらで我慢が必要になります。その状態は不健全であり、続けるべきではありません、なので雷鳥はステップとして捉えてほしいと思っています。

ちなみに、私の場合ですが、新しい時代に合う湯治宿をやりたいという思いは今も変わらずにありますが、掃除を毎日やりたいとは思っていません(暴)
そして、その新しい時代に合う湯治宿が少しずつ形になって、理想が近づきつつある中、やりたいことは沢山あります。

Guesthouseをやっている今の若い人も、ずっとそのままGuesthouseの実務の仕事をやっていたい、って人は少ないんじゃないかと思います。またこれからゲストハウスをやりたい人も、いろんな視野があった方が良いと思います。
そして10年後20年後、掃除という仕事はあるのでしょうか?
フロント業務は必要でしょうか?
きっとチェックイン・アウトはぼぼ機械的になるでしょうね。すでにいくつかのホテルではそうなってますよね。
人と人の出会いやコミュニケーションという観点(旅のサポート)は若干残るかもしれませんが、その他の今のGuesthouseの仕事は、ほぼ無くなっているかもしれませんね。それくらい劇的に変わってくると思った方が良いと思っています。そして今はゲストハウスという宿が「日本では」少しだけ注目されてますが、10年先にこの宿の形態が残っているかはわかりません。
どんな仕事が残り、どんな仕事が無くなっていくか、いろいろ言われてますが、そういう時代に適応するために、やはりいくつかの選択肢を持っていた方が良いと思っています。そして、きっとその残る仕事とは、本当に自分のやりたいことの延長にある気がします。

さて、そんなゲストハウス雷鳥は、2018年4月頃からの上述のような考えに共感できるスタッフを探していますので、いつでも雷鳥に遊びに来て下さい。いろいろ話をしましょう。

そして、晩秋の乗鞍高原、ゲストハウス雷鳥では冬の予約がはじまっています。冬の魅力はまた別でお伝えしますが、実はここ乗鞍の冬も最高なんです。
昨年作ったアクティビティーのページを載せておきますが、現在いろいろ更新中です。
アクティビティー Winter

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