奨学金返済完了で思う、18歳の進路選択

街中ではかなり春を感じる季節になっているのではないでしょうか。
ここ標高1500mの乗鞍高原も春の気配を感じてきましたが、まだまだ朝は氷点下の日が続き、雪が降ります。

春は卒業、入学、入社など、いろんな人生の節目ですよね。
実は私、今月でようやく大学生の頃に借りていた奨学金の返済が完了します。なんか感慨深いというか、私の中での一つの節目だなと思いました。大学4年間毎月48,000円、4年間で210万円の援助を無利子で受けていました。

この奨学金が無ければ、私の学生生活は成り立ちませんでした。なのでこの奨学金という制度にはとても感謝しています。

が、今となっては少し怖い制度だなと思う部分も。

最近いろいろ報道されていますが、奨学金の返済ができずに、自己破産したケースが過去5年間で1万5千人もいるとのこと。

平成25年度と少し古いデータですが、日本学生機構の奨学金の貸与を受けているのは、144万人(無利子43万人、有利子101万人)。貸与率は大学生の37.7%。私が学生の頃は20%ほどでしたので、年々奨学金を利用する学生が増えているということです。

奨学金制度は絶対にあるべきだとは思いますが、返済する=ローンということですよね。有利子の場合は、借りたお金よりも返すお金の方が多いわけです。
学生の段階でそのローンを抱えるリスク。その時はあまり考えてませんでしたが、今考えると結構大きいなと思うのです。借りる時は大学を卒業したら就職して、それなりの収入を得て、月々返済できるということを前提に考えますからね。

私の場合、大学卒業と同時に就職して、それなりの収入を得たので、その会社で働いている時に負担を感じたことはなかったです。しかし、会社を辞めて、起業するまでの準備期間、そして事業が軌道に乗るまでの自分の収入がどうなるかもわからない期間は、月々の返済が12,800円でも負担を感じました。会社勤めで余裕のある時にまとめて返済しておけば良かったとも思いました。そして、会社を辞める時に貯蓄があったので、辞めた時に前倒して返済することも考えましたが、私は無利子でした。事業を始めるに当たって銀行に借入することが想定されていたので、そちらに自己資金を使い、借入額を抑えた方が良いだろうと思ったのであえてそこで前倒し返済をしなかったという経緯もあります。奨学金返済の無利子と銀行借入の有利子を天秤にかけるという大胆さ(笑)
起業の際に借入したことを書いたブログはこちら。
初期投資 身の丈にあった背伸びをする

ただ、この返済が残っている中で起業するという経験を通して感じたことがあります。それは奨学金の返済があると、一般的には「入社して数年では簡単には仕事を辞められないだろう」ということです。月々返済がありますからね。そして、もう一点、継続的に返済するためには収入がそれなり必要だということです。幸いにもその部分で私は会社勤め時には心配はなかったのですが、大卒・短大卒でも手取り月15万くらいの方も多いですよね。そこまでもらえてない方もいると思います。私が聞く限り、福祉系や美容系とか。仮に都内で生活していたら、その額では相当切り詰めないと貯蓄はできないですよね。さらに、私たちが高校生の頃は、高校から奨学金を借りている人や、借りている額がさらに大きい人、大学院に通うことになったら貸与額はさらに大きく、月々の返済も大きい。

そういう状況で人生は何が起きるか全て予想することはできないわけで、常に健康で仕事に就けるという保証もないですし、仕事を辞めざるを得ない事由が生じる可能性もあります。そして、自分はこの道ではなく、違う道でやっていきたい、という変化だってあります。そういう時に、奨学金の返済は、負担であったり、足枷になってくるのです。そして、それは18歳の段階ではわからないわけです。もちろん何かあった時に猶予の申請をすることもできますが、それも期限があります。

これを借りた側の自己責任で片付けられるでしょうか。
大人がお金を借りる場合は、結構厳しい審査がありますよね。収入がない中では50万以上のお金はなかなか借りることができません。でも学生なら収入がなくても200万という金額を借りることができてしまうわけです(保証人をつけますが)。これは国としての施策で実施していることですよね。だから、貸した側にも責任があると思うのです。

大学の授業料は上がる一方、そして18歳でお金を借りないと教育を受ける機会を得られない、もしくは安易にお金を借りて高等教育を受ける道を選んでしまうという社会構造に課題があるのではないかと。

前者の部分の大学の授業料が下がることは切に願いつつ、後者についてがこのブログで言いたいことです。
いつも前置きが長くてすみません。

私の場合は、高校時代に明確にこの学問を学びたいという想いがありました。大学時代のことについて書いたブログはこちら
以前にもブログでも軽く話をしていますが、高校時代に地球温暖化と天気に関心があり、気象学を大学で学びたいと思っていたのです。だから大学や学部学科選びは明確でした。気象学という講義があるところ、地球環境について学べる学科。この観点からするとかなり大学が絞られます。そもそもそういった事を学べる私立の大学はほとんどなく、家の状況からしても国立しか狙えなかった私は、高校3年の受験で私立はどこも受験せず、国立一本で前期は筑波大学第一学群自然学類、後期に新潟大学理学部自然環境科学科に受験。前期は敗北、後期で花が咲きました。

私の場合は、後から思うとめっちゃめちゃレアキャラだと思うんです。
高校3年の時に、明確に学びたい学問があるという。

大学入学後、その学科は30人くらいしかいなかったのですが、友人達はもちろん環境問題に興味はある人が多かったけれど、私からすると結構曖昧な目的で入学している人も多いなという印象でした。それでもその学科は名前自体が特殊なので、目的を持って入学した人は他よりも圧倒的に多いと思います。一方高校時代の友人を振り返ると、明確にこれを学びたいと言える人は、かなり少なかった。だいたい学力に合わせて大学名が先にきますよね。文系はさらにその傾向ないですかね?
経済学科とか本当に高校生で経済学とは何で、学んだ先に何があって、自分はこういう理由で経済学を学びたいと言える人って少ないですよね?基本的には自分の学力に合う大学を選択せざるを得ない。もちろん、それぞれの大学の特徴なりも本などで読んだりはしていると思いますが、将来こうなりたいから、大学ではこの学問を学んで、こういう仕事をしていきたい、なんて言える18歳の人がどれくらいいるでしょうか?


奨学金の話と絡めて上述のことが何を意味するかというと、自分のやりたいことや興味・関心が曖昧なまま、将来どういう人生の選択をするかほんと未知な時期に、200万以上の借金をして大学に行く人がいるということです。中には、奨学金で、ほんとにただ、なんとなく周りも行くから行かなきゃ的な感じで大学に行く人もいるんじゃないですか?これって危うくないかと思うのです。
大学生活を通して、自分のやりたいことが見つからなくても、とりあえず就職するケースだってあるわけです。あ、就職してからこれ違うなと思って仕事を辞めて、そこから専門学校に学びに行く人もいますよね。返済はどんな場合でも付いてきます。先に説明した通り、自分のやりたいことで仕事をしたとしても奨学金の返済に十分な収入に達しない可能性だってあるわけです。


私は日本の一般的なレールから途中で外れた人間です(笑)
そのレールってなんですかね?
高校卒業したら大学に行く、大学卒業したら企業に就職する、時期が来れば結婚する、子供を持って親になる、、、、のような。
レールに乗っていれば確かに安心しますね。でもそれで個人が充実した人生を送れて幸せかどうかは別。我慢の連続だったりして。もちろんレールからはずれれば充実するかもわかりません。

Guesthouse Raichoに来るゲストでこんな方がいます。
例えば、秋に出会った28歳のA青年。
「ハイスクールを卒業してから、自由に生きた。アルバイトとか、ワーホリとか、スケートボードをずっとやっている時もあった。今は世界を旅している。この旅が終わったらおれは大学に行って勉強する。学びたいことがある」と。

高校卒業したら、進学、就職というのが社会の前提(レール)ですよね。浪人なんて言葉がありますが、日本においては大学受験を前提とした浪人ですよね。本当の浪人になってもよくないですか?(笑) 今RaichoにワーキングホリデーできているMaoさんのように。ただ、彼は流浪者で、自転車で世界を旅したいという明確にやりたいことがあります。そういう想いに正直になり、その道に進む道があるのです。人生は一度ですから。

学びたいことや大学に入ってやりたいことがあるなら奨学金を借りて頑張って大学へ行くのはもちろんありです(私のように)、もし何もわからないなら、無理して=無理に奨学金を借りてまで、大学に行く必要はないのではないでしょうか。浪人生もなんとなく予備校に行くのではなく、しばらく本当の浪人になればどうでしょうか(笑)
就職が心配ですかね?
あなたが借りようとしている奨学金の方が心配です。今時、新卒にフォーカスを当てて採用している企業があれば、その企業は危ないと思います(笑)。あなたが本当にやりたいことを見つけ、学び、情熱があれば、何歳からでも仕事を始めることはできると思います。もしかしたらいきなり個人事業で始めるかもしれない、起業かもしれない、就職かもしれない。

わからないから、大学に行く。それが悪いとは言いません。学生生活の様々な体験でやりたいことが見つかる可能性はあります。ここで言いたいのが、何がしたいかわかならない状況で「借金までして」大学に行くのか?ということです。その時に立ち止まってほしい。選択は大学だけではないと。この先授業料の負担なども変わるかもしれません。誰もが気軽に大学に行ける時代なのかもしれません。しかし、みんな大学に行くから自分も奨学金で大学に行くという選択をするのは、辞めた方がいいと思います。

大学で学んだから何?って感じじゃないですか?(笑)
そもそも卒業して何を学んだのか、よくわからなかったという人も結構いますよね(笑)
東京大学まで行って、財務官僚になって、政権に忖度して犯罪に手を染めざるを得ない人もいるわけです(まだわかりませんが)。

そんなよくわからないまま奨学金で借金して大学に行こうとしているあなたは、高校卒業したらすぐに世界に旅に出て広い世界を見てください(笑)。できれば一人で。できれば僻地に。18歳からワーキングホリデーという手もあります。不安だったらバックパックの旅に一緒に行きますか?数日一緒であとはさよならしますけど(笑)
200万で世界一周、1年中旅できますよ。

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