僕の役員報酬は低いけれど…

あまりこの手の話は好きではないのですが、経営者になってこれまでとお金の見方が変わったので、何がどう変わったのかをシェアしたいなと思ったので書きたいと思います。

僕が脱サラして宿をやると言った時に言われたことが、

「今より給与下がるんじゃないの?」

「軌道に乗っても、今のまま(会社員)の方がこの先給与増えて良い年収になるよ」

正解だと思います。

この先も僕はリーマン時代の年収を上回ることはないと思います。

そもそも脱サラを決意した時に、そこそこ給料を貰っていたのですが、お金よりも大切なことがあったから脱サラしたわけで、生きていける最低限の収入を確保できれば、お金はそんなに稼げなくてもいいと覚悟をしたので、この手の質問は僕にとってどうでもよかった。

結果的に、お金では買えない、時間とか豊かで自由な生活を今手にしていると思っています。ただし現在の年収はリーマン時代の3分の1くらいです。

この観点でもいくつもブログが書けるのですが、今回言いたいのは、この観点ではありません。

会社を経営している人ならわかりますが、役員報酬って事業年度初期に決めて「基本的に」変えられないんですよね(正確に言うと増額しても損金として認められない)。利益が出る分、期中に役員報酬を上げて法人税を回避できないようにするためです。

小規模事業でまだ事業を開始したばかりで、今後の投資計画や不確定要素があれば、会社の経営者は自分の役員報酬を抑えるはずです(個人事業は考え方が少々異なります)。

生々しいですが、初年度、そして2年目の僕の役員報酬は月10万で、3年目の今年は月20万です。その結果、実はスタッフの方が月給が高いことが多いです。

ちなみにゲストハウス雷鳥にはヘルパースタッフは現在いません。僕以外に4人のスタッフがいますが皆有給で、時給1000円~1500円です。月25万稼ぐ人もいます。来年からは今のスタッフは希望で正社員になりベーシックワークライフがスタートします。そのことについてはこちらのブログを参照下さい。

ここからが言いたいことなんですが、

経営者の僕は額面の給与(役員報酬)をそんなに気にしてない。

気にしている人もいるかもしれませんが、小規模企業の経営者であれば、自分の報酬を気にするよりも、まずは徹底して会社の価値を上げることに注力した方が良いと思います。

株式保有率にもよるところもあるかもしれませんが、僕の場合は自社株を100%保有しています。要するに、会社に投資をして会社(事業)の価値が上がれば、それは自分の資産になることを意味しています。

もう少し具体的に言うと、

会社のお金で投資して、会社の資産が増え、利益を出して事業価値が上がるなどすれば、株価が上がる=会社の価値が上がるからです。上場して公開していれば、それが公に数値として出ますよね。中小企業であれば多くの場合は、社長のみが株を保有していて、僕であれば全て自分で保有してますので、会社の価値が上がる=自分の資産が増加することになります。自分も勉強がまだ足りませんが、企業の財務諸表の見方がわかっていれば当たり前ですね。

なので、役員報酬はそんなになくても、投資によって会社の価値が上がっていれば、それは自分の資産が増えているということなんですよね。

僕はまだ初期投資の借り入れが残ってますが、現在の会社の価値は投資した額よりも大きくなっていて、仮に物件含めて事業を売却したとすれば、借り入れの金額を返すことは前提で、自己資金を投入した額の倍以上の額になって戻ってくる自信があります(あくまで予想です)。売却しないですけど。

ただし、これはあくまでも事業が上手くいっているのが前提で、投資をしても事業価値が上がらない、赤字続きであれば、価値は下がってしまう可能性だってありますよね。それと個人事業と会社経営もまたちょっと異なりますね。会社の方がその点明確に分かれていてわかりやすいです。

正直、脱サラして起業する時は、あまりこの辺の感覚は無かった。事業をはじめてすぐに理解しました。あ~、これが給与をもらうリーマンと、事業主のお金の見方の違いかと。

なので、年収どれくらい?って他人への質問は、ほんと無意味だなと思うわけです。話題的にも、その金額自体も。

それと、別に経営者でなくて、給与をもらう立場の人も、この点を理解することってすごく大事だと思うんです。仕事の成果は給与に反映されるのかもしれませんが、経営者と資産の増え方が異なるということを。

最近は月の給与は少なくても良いから自由な時間が欲しい、働き方をしたい、という人が増えていますが、リーマン型と起業して経営者とでは、同じ給与でも資産の考え方に相当な乖離があることを理解して欲しいと思います。

僕がベーシックワークライフで提案しているのは、単に遊びまくる時間を作るということだけではなくて、自ら価値を生み出して稼ぐことのできる力をつける時間を作って欲しいという想いもあります。

もし、あなたがリーマン型(お給与をもらう立場)であれば、暮らし方にも寄りますが、例えば都会で衣食住が実費で、月収15万~20万という生活が続くことは、そんなに明るい未来ではなく、苦しい未来かもしれません。

ちなみに乗鞍秘境暮らしはお金をほとんど使わないので、一人なら月20万という額でも貯金できますし、海外旅行を年に2度計画することだってできます。僕は4月に18日間ネパールに行きます。そして11月にもどこかにいく予定。家族ができれば、夫婦全体の世帯収入次第ですね。

話を少し戻しますが、

経営者という立場で業績が良いからと言って、役員報酬をガンガン増やすとどうなるか。お金の魔力には気をつけた方が良いですね。人間は欲深いので、無くても困らないのに余計なもの買ったり贅沢するんですよね。

宿であれば、新しい箱はそれなりにお客さんが入るのは当たり前。初期段階で利益が出た時に、さらに競合と差別化を図るために、次の手を打つ投資をするのか、自分の懐にお金を入れたいと思うかで、その後の経営が大きく変わります。僕は圧倒的な差別化を図るため、そしてやりたいことが沢山あるので、事業に投資(事業の横展開もほぼ同じスタンス)しています。もう少しだけ報酬増やしても良いかなと思うところもあるけれど。僕の趣味のスノーボードの板は大学2年生で買った当時のものです。まだ使えるから(そろそろ欲しいと思って数年が経過)。買うなら宿としてレンタル品で良い物を買ってそれを使うかなって感じです。

世の中のゲストハウスのような小規模事業の経営者は、「どれだけ継続的に」会社に投資をしているのでしょうか。僕は初期投資の後、2年目に700万(300万補助金)投資し、3年目にも300万以上(50万補助金)投資して、新たな滞在スタイルを提案するために設備を整えたり、サービスを作ったり、No.1やOnly1となるコンテンツを増やしています。こちらのブログも参照。スタッフの給与を継続的に上げて人にも投資をしてきました。その結果、滞在価値が上がっていると判断して値上げもしてますし、宿泊数も継続的に増加傾向でこの冬の直予約は8割になりました。

そうすることで事業価値が上がって、自分の報酬は大したことはないですけど、会社の価値が上がり、資産は増えていることになります。

誤解してほしくないのは、これは結果論であって、資産価値を高めたいが故に継続的に投資を行っているわけではもちろんありません。あくまでも「自然にかえる宿」「自然にかえる旅」を実現するために、ビジネス的な観点も踏まえてどうすれば良いか考えている結果であって、僕自身のスタンスは冒頭に述べた通りです。お金よりも大切なことがあるし、魔力も知っているので、必要最低限を確保するという感じです。

起業するよりも事業を継続していくことの方が難しい。

理想は現実を直視して一歩一歩着実に歩む中で実現できるもの。

独立して起業する経営者って、理想主義に見えて、実は現実主義なんですよね。

写真は先日ゲストハウス雷鳥の男スタッフと常連レナト君と行った乗鞍岳バックカントリーの様子でした。

最近、アカウントだけ持っていたTwitterの更新をはじめました!!
ほんとにつぶやきなんで、結構ぶっちゃけてます。
よろしければお気軽にフォローください!!

さてさて、まだまだ3月もゲストハウス雷鳥のスノーシューツアー受付中。

ご指名頂ければ、僕のガイドで自然にかえる旅にお連れします。

ガイドのご用命、ゲストハウス雷鳥の宿泊予約は以下のゲストハウス雷鳥のホームページからどうぞ。
ゲストハウス雷鳥

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です