宿泊予約全てを事前決済(キャシュレス決済)にした2つの理由

宿泊予約に限らずですが、日本全体が生産性の向上に今力を入れている状況。
日本の生産性が非常に悪い中、ここ数年で一気にそれを巻き返すような技術革新なり進歩がある気もする。

ここで乗り遅れることは、ビジネスに影響が出ると思った方が良いかもしれない。

ということで、今回宿泊予約に関するシステムを一新し、宿泊業界では有名なサイトコントローラーのねっぱんを捨て、Beds24を導入し、楽天トラベルとは一旦さよならを決意しました。その理由について記載します。

宿泊予約全てを事前決済(キャシュレス決済)にした理由
1.人が本来やるべき仕事を追求したいから。
2.ゲストの時間も無駄にしたくはないから。

 

1.人が本来やるべき仕事を追求したいから

そもそも山奥のここ秘境乗鞍においては、未だにクレジット対応しているところの方が珍しい。公共交通機関においても。海外からのゲストから予約が入ると案内メールを流すけれど(これもこれまで手動、Beds24で自動になった)、その中の文言に「キャッシュをある程度持ってくるように」と伝えている。そしてATMもないよと。先進国?!の観光地でこのような状況は正直恥ずかしい。これまでに何度、ゲストがもうキャッシュがない、という問題が発生したことか。

確かに毎回決済手数料が約4%も発生するのは痛手だ。
消費税も10%に上がる。
予約サイトの手数料だって10%以上がほとんどだ。

4%の手数料分は、会計時のキャッシュを扱ったりする人件費と比べて、単純な費用対効果だけみたらどうだろか。例えば、売上2000万とすると4%だったら手数料は80万だ。キャッシュレスにして80万の効果があるかどうか。

この単体のアクションだけみたら、確かに微妙だと思う。

しかし、冒頭に述べた通り、未来を見据えればキャッシュレスって当然の流れで、どうせ10年後にほぼそうなるのであれば、今から導入した方が良いとまず思う。

僕はいま、どうやって宿というビジネスの収益を上げていくかをずっと考えている。宿泊業は利益率が低いビジネスとして分類される。人の給与の違いってなぜ生まれるのか?それはできる経営者が良いビジネスモデルを確立しているのも理由の一つ。小規模事業だって、経営者やスタッフが頭を捻って考えれば、きっと高利益・高貢献・高分配ができるビジネスを作り出すことができると思っている。起業と経営はまた別。今は経営という次元で僕は頭を使っている。

宿泊業が薄利の理由の一つは、あいまいなサービスとそのサービス時間が長いことだと思う。

お客様とサービスとして定義のない”延々と”雑談することもサービスなのか。
チェックイン、チェックアウトの時間を守らない人も少なからずいる。
僕らもついついいろんな場面で「いいですよ〜」なんて言ってしまうことが多々ある。だからお客様が悪いというよりも、サービスを明確にしていない宿側の責任だと思っている。

かといって、サービスを絞りまくって、ただ単純に快適に寝る箱にすると、無機質になり、常連さんは遠のき、差別化できなくて価格競争に巻き込まれて、それこそ利益は上がらなくなる。なので自然にかえる宿としてお客様とのコミュニケーションももう少し具体的に定義したいところ。

僕は宿というサービスは「非日常の特別な時間」を売っている商売だと考えている。

その非日常の特別な時間をサービスとしてきちんとして定義し、そのサービス時間をいかにうまくコントロールしていくかが利益を上げていくための一つのキーだと思っている。

今は「何がサービスなのか」というのを少しずつ再定義している。その定義したサービスと値段で、どのようにお客様に選んでもらえて、満足度を得られ、我々が理想とする利益を上げられるのか。

僕ら雷鳥スタッフには今とにかく時間が欲しい。
それは僕らが自由にできる時間と、集中して本来僕らがやるべき仕事ができる時間。その中には、こういった宿泊業での高利益・高貢献・高分配のビジネスモデルをどう確立していくかをじっくり考える時間が含まれる。そういう新しいアイディアだったりを練ることは、人が本来やるべき仕事の一つだと思っている。

サービス(商品)が明確なら、会計は人間がやる必要はない。
1顧客につき1分でも短縮できることがわかっていて、費用対効果がある程度見えそうだと思うことなら取り組むべきだと思い、今回事前決済に踏み切った。それが3000人にもなれば3000分。丸2日もらえれば、年間80万の新規ビジネスを生み出すようなサービスを考える時間にもなるだろう。
その他にもノーショー対策などの理由があるがここでは割愛する。

2.ゲストの時間も無駄にしたくはないから

自分なら最先端の技術を取り入れた宿を選びたいと思う。
最先端の技術を取り入れつつ、昔ながらの人間味のある温かみもあるサービスのある宿。そうしないとそもそも選ばれなくなると思っている。

お客様側(時代)が進化しているにも関わらず、サービス提供する側が進化できていないという現象は田舎あるある。それはそれで昭和レトロ的な感覚になるのかもしれないが、「現金でチェックインの時に支払いができること」が昭和レトロとはならないはずだ、いやもう平成レトロか(笑)

キャッシュレスにすることで、チェックインの時間を短縮できるのは、宿側だけでなく、お客様側もそうだということを忘れてはならない。

手数料は宿が払うけれど、お客様の貴重な時間を1,2分短縮できる。もしかしたらキャッシュを作るためにわざわざATMに行っているかもしれない。それが20分。そのおかげで松本で電車に1本乗り遅れたら、乗鞍のバスは2時間、いや3時間はこない。

この乗鞍で過ごす3時間は、どれだけの価値があるだろうかと思う。
もしかしたらある人は、その3時間の時間で元々計画になかった善五郎の滝に散歩に行けるかもしれない。自然の中を歩いていて、アイディアが生まれて、大きなビジネスに繋がるかもしれない。

そんなの稀かもしれないが、そういう可能性があるということ。
時間というのはそれだけ大事だと思っている。

僕は1分でも時間を大切にしてくれる宿に泊まりたい。

今回宿泊予約のサイトコントローラー(各予約サイトの在庫管理などを行うシステム)にBeds24し、事前決済のためのStripeという決済システムも導入した。ちなみにBeds24は楽天トラベルと接続するために、現状では追加費用が発生し、ねっぱんを残さなければならない(ねっぱんは7月1日から有料になる)ので、少し影響はあるかもしれないが、それよりも効率化のために、一旦楽天とはさよならをした。今後楽天とBeds24が接続する予定もあるそうだ。
Beds24とねっぱんの比較についてはこちらのサイトを参照。

現在すでに運用が始まっているが、圧倒的に予約管理の業務効率が向上した。雷鳥はHP予約率がこの冬は8割を超え、予約処理に毎日3時間くらいかけていた。特に冬季はツアーも重なり、お客様への返信が2日後、3日後になってしまったこともあった。まだまだ課題も沢山あり、進めたいこともいくつもあるけれど、一つ効率化も進んだことは大きな進歩だと感じている。

この情報をくれた、金沢のグッドネーバーズの吉岡氏や高山のCup of Teaの中村氏、そしていろいろ質問に答えてくれた先行導入しているCup of Teaのスタッフ安部くんと鈴木くんにいつもながら感謝。

この秘境の田舎にいると、楽園すぎて時が止まりそうになる。彼らから発信される情報や情報交換によって、田舎侍にも最新トレンドが入ってくる(笑)
そして、まだ2ヶ月半なのに溶け込み度半端ない新人スタッフ隼太朗くんが夜遅くまでいろいろ格闘して設定してくれた。彼が加わって一番はじめにやりたいと思っていた仕事をほぼ彼に任せたが、見事にシステムを軌道に載せてくれた。

ちなみに雷鳥にはタスク管理が存在しません。
何をやっていこうかという理想の共有だけしといて、あとは日常会話とやれる時に誰かが進めれば良いというスタンス。だいたいこのくらいの時期にできれば良いねーとだけ話しといて、それまでに絶対にやるためのアクション確認とかやりません。
ある意味、いきなりティール組織的のようなチームを目指しているのですが、それはまた別の機会でブログで書きます。

僕らの理想のライフスタイルに向けての歩みはまだまだ道半ばですが、一歩一歩近づけていきますよ〜!

さて、その新しい予約システムも見れる、ゲストハウス雷鳥の宿泊予約は以下の予約からどうぞ。
ゲストハウス雷鳥
もうすぐグリーンシーズン到来、何しよう!!ワクワク。

春のアクティビティーについてはこちらも参照
乗鞍高原・上高地の春のアクティビティー

さて、今回の写真もここ最近のスノーシューツアーの様子でした。

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