千葉社中

今日はゲストハウスやオススメのライフスタイルの基本的な考え方となる
「シェア」について書きたいと思います。

以前のブログで香港時代について記載したと思います。
約2年半の香港駐在と、シンガポール支社の立ち上げのため、3ヶ月シンガポール滞在をした後、自分は2010年の4月から拠点を日本に移して東南アジアの営業担当をすることになりました。

日本に拠点を移すとなった時に、私がまず思ったのが、「一人で住みたくない」でした。
その理由は、
・香港は家賃がとても高く、若い人のルームシェアは普通であり日本でももっと増えて良いと思った
香港で困難なことにぶち当たった時に、一人でいる虚しさが身体に残っていた
・ルームシェアがカッコイイと思っていた(当時はまだテラスハウスとかもやっていない)
・一人では住めない、豪華なマンションに住みたいと思っていた
・海外出張が多かったので、一人で住むのも勿体無いとも思っていた

まだまだ若い頃だったので、ノリや格好良さみたいなところに憧れていたところも多いと思います(笑)

そして、ルームシェアをしたいと思った時に、真っ先に頭に浮かんだ2人がいました。
高校時代のスカバンドのメンバーであるSさんとSくんです。ちなみに大親友のI氏もスカバンドのメンバーでその時すでに既婚。
そして、早速電話をして、即答でOKをもらったと記憶しております。
※「記憶しております」というと今の国会答弁みたいですね(笑)

そして、3人の勤務地から千葉駅周辺で物件を探しはじめて、ある物件に出会いました。
その物件は京葉線の千葉みなとにある新築のマンションでした。
オーナーが新築のマンションを購入したが、海外赴任が決まって住めなくなったので2年間の賃貸に出したいという物件でした。
4LDKの新築マンションに住めるなんて、願ってもないチャンス。そしてスーパー目の前。スピード契約でした。

そして、3人のルームシェアの生活がスタートしたのです。

書き出したらキリがないので、一言で言うと、
とにかく楽しすぎた。なんていうか、20代後半に第二の青春時代を過ごしたというんですかね。

3人の根本にある信条というか、興味みたいのもほぼ被っていたからかもしれませんが、3人がいると笑いが絶えず、共通の興味のある話題で話が尽きませんでした。
私は海外出張が多かったので、月の半分以上は部屋を開けていました。
忙しかったので、朝も早くに出るし、夜も遅かったので、そんなに多くの時間を3人で共有していたわけではないのですが、心が通じ合う仲間が同じ屋根の下で暮らしているという安心感に心が満たされていました。


たまに3人で食べる社中飯

ルームシェアというといろんなトラブルがあるんじゃないかって思うかもしれません。確かに全くなかったとは言いませんが、それぞれが多少なりとも不満も持っていた部分もあるかもしれませんが、なんていうんですかね、根本的に、例えばその人の良いところと微妙だなと思うことをそれぞれが認めているというか、完璧な人間なんていないから、良いところを見ようとする姿勢と、微妙だなと思うところは、その人が自然に気づくような計らいを自然にしていたような気がします。言葉選びもみんなとても上手かった。
言葉選びが上手いというのは、それぞれに対して思いやりがあるということなのかもしれません。

思い出はこの辺にして、そこから何が見えたかという点でここからお話します。

持論ですが、一人暮らしという経験は必要だと思うが、そんなに長くなくて良いと思います。

経験として一人暮らしは重要だと思います。親の有り難みを知るとか、経済的な自立とか、生きる術を身につけるとか。
ただ、それをある程度経験として得たら、できるのであれば一人暮らしはしなくて良いのではないか、と思います。
もちろん一人暮らしが好きだという人はそれで良いと思います。

なぜそう思うのかというと
・やはり一人暮らしは孤独であり寂しい
→それが時に良くない方向に進んでしまうこともある
・光熱費等の生活費の負担が減る
→それぞれの基本料金が不要であるので必然的に一人当りの光熱費が減る
・一人では不可能なことがシェアすることで可能になることが多い
→いろんなシェアの状況によるが、協力関係の元、例えば以下のようなことが可能になる
一人では住めない場所に住める
誰かの買い物の時に、何かを買ってもらえる
知り合いが増える
誰かのついでに物事が片付くことがある
疲れて帰ったらお風呂が溜まっている
などなど、挙げたらキリがないくらい小さいこともたくさんあります。

ちなみに、休日がはっきりとずれている場合、帰って来るルームメイトのために食事を作りたいという気持ちが湧くんですよね。
不思議ですね。一人暮らしをしているとどうしてもコンビニ飯とかで済ませてしまう自分が忙しい中、自炊に時間を割いたりしました。

このルームシェアの生活から言えるシェアの利点とは、
・助け合いや協力関係が日常生活に存在する
・環境に良い(言い過ぎでもないですよね!?)=無駄な消費を削減できる
・ついでに片付くことが多い
・お金の節約につながる
・そして楽しい


スコーンが好きだと言ったら、後日食料品の引き出しに大量購入されていた件

ただし、これらの前提には、相互信頼が必要ですね。
ここが難しかったりするわけなんですが。この件は後ほどもう一度触れます。

逆に自分はほとんど感じませんでしたが、一般的なデメリットとは、
・プライベート空間が減る
・ルールやお互いの協力関係のために生活に縛りが生じる
・金銭的なトラブル、生活の中でトラブルが発生する場合がある

ここはルームシェアする人とどのように信頼関係を作り、その信頼関係の中でどうルールを決めるかに寄りますね。

次にゲストハウスやライフスタイルという観点に話をつなげたいと思います。

ゲストハウスとは、素泊まりを中心とした宿泊施設です。
そして、その中心にはやはりシェアという考えがあります。
例えば、
Dormitoryという相部屋
部屋もシェアしていまうという考えで、宿泊費が抑えられる
共用キッチンスペース


Raichoのゲストキッチン

自炊の基本となる調味料を個々に買わなくて良い
調理器具や食器がいろいろと使える
みんなで使うという意識の元、ゲストが綺麗に使おうと心がける
余った食材や個別に買った調味料などを次のゲストに残していくことがある
雰囲気で作った料理をシェアして小さなパーティーになることがある
・施設全体がセルフサービスを基本となる
そもそもゲストハウスを利用する人は、協力して宿泊するというスタンスで宿泊する方が多い
Guesthouse Raichoの施設詳細は以下を参照下さい。
Guesthouse Raicho

などなど。
そしてこのような宿泊形態だと、ゲスト側は基本サービスのみで後はオプション追加のため、安価で宿泊することができます。
宿側はサービス提供の負担(労力・仕入れ等)を減らすことができます。
ただ、気をつけなければならないのは、宿側は1人当たりの売上が1泊2食よりも低いことです。よって回転率を上げなくてはなりません。
なので単純に現在1泊2食付きの宿がB&Bなりゲストハウスのような形態にすると、仕入れコストや人件費は減るかもしれませんが、何もしないと売上は下がります。この点はまた別の機会で述べたいと思います。

ライフスタイルの観点で言えば、
消費を促進することで経済活動を活発化させようとする人たちからは、同調を得られないと思いますが、どんどんシェアする方向で動けば良いと思います。
企業がお金を稼ぎ、消費させるため、世の中便利になりすぎていて、サービスも行き届きすぎだと思います。
ほんとにそれって個々に保持する必要があるの?そんなに便利な必要ってあるの?ってものが世の中には山のようにあるのではないでしょうか。
すでにある部分でシェアがはじまっている部分もありますが、もっともっと進んでいいと思います。

ルームシェアはもっといろんな形態があっていいのではないでしょうか。
マンションとか、アパートでも共用部分とかもっと増やした家があっても良いと思うのです。

例えば大学生の一人暮らしのアパートに、それぞれ個別のキッチンとバス・トイレってそんなに必要かな?って思います。
個々のプライベート部分は上手く作って、あとは共用にしてサービスアパートメント的なサービスがあるようなアパートがもっとあっていいと思う。
就職したての若い社会人なんかは、個々の部屋にキッチンよりもおしゃれなパーティールームのような共用キッチンがあるといいかなって思います。
寮というと、なんだか古臭くて、いろんな縛りがあったり、体育会系の匂いがするので、そうではない形態に進化させて、何か別の言葉で言い換えた方がいいですね。

若いファミリーに合うようなルームシェアの形態もあって良いと思う。そうすると子育ての際の何かの負担が減るとか。
施設とかではなく、高齢者のルームシェアももっとあって良いと思います。
もちろん、前提には人の考え方とか生活習慣はそれぞれ違うので、いろんなルール作りや、快適に過ごすための工夫が必要だと思いますので簡単にはいかないと思いますが。

また田舎暮らしにおいても、若い人がまずはルームシェアからはじめていくというのもありですよね。
仕事を見つけてから来るというのも大事ですが、その場にまず身を置き、そこで好きなことをしながら仕事を考えるというのもあり。
そのために、まずはルームシェアでお金の負担を減らすとか。

そしてちょっと違った観点でのシェアしたら良いこととして、

・コンビニの24時間営業
道路挟んで反対側のコンビニがそれぞれ夜通し営業する必要性はない
・話題の宅配業者
僻地は業務提携などしてそれぞれが運ぶ必要はない
・移動手段
道路運送法は置いて、同じ目的地に行く車をもっと共有したい
・除雪車
今年の冬のために購入しましたが、高かった。。。

などなど、いくらでも挙げられますね。

ちなみに宿と宿で考えられるシェア
・送迎
僻地はとにかく不便なので行政等に交通手段を整えてほしいと要望したがりますが、私はまずニーズがある宿から送迎シェアなどをはじめて、具体的にビジネスになりそうだったら交通手段を整えるという形が理想だと思います。Raichoといくつかの宿で今それをはじめようかとしているところです。

ピークシーズンには毎日高山からのゲストを親子滝バス停に送迎している

・食事作り
個々の宿の仕込みはめちゃくちゃ大変ですよね。
技量もないし、大変だとわかっていたので旅館食のような形態はやらないと決めました。共同で食堂なりレストラン経営とかもありですよね。

・スタッフ
繁忙期は無理かもしれませんが、それほど忙しくない時に、あっちの宿で忙しくて、こっちは暇だという時のスタッフの融通
ちなみにこれは宿と宿だけではなく、地域が小さければ仕事のシェアもいろんな形が取れそうですよね。

などなど。

このように述べる様々なアイディアが浮かびますが、先にも述べましたがシェアするにはシェアする相手と相互信頼が必要ですね。それがないとトラブルの元ですね。
ちなみに、私の経験上ですが、相互信頼を築くためには、まず自ら手の内を明かすということが大事だと思っています。
実はこのブログも私の手の内を明かしている手段の一つで、読者の皆様と相互信頼を築く一つの方法であったりもします。
ただ、一方通行の部分もあるので、私が明かすことで、次に相手が明かしてくれるのを期待することになります。
そして相互信頼は、その人が大切にしていることを互いに共感するとどんどん深まっていきます。

最後に、ルームシェアの話に戻ると、
震災の年の夏に、私が仙台赴任を命じられたがために、私は1年半のみで先にルームシェアを辞めざるを得ませんでした。
本当はもっとこのルームシェアを続けたかった。
しかし、東北で何か役に立つことがあればとの思いで、私は震災後の仙台に行きました。

親友のSさん&Sくんには、この場を借りて当時私の提案を快く受け入れてルームシェアをしてくれて本当にありがとうと言いたいです。
我々は、熱い議論が交わされていたルームシェアのマンションの部屋を亀山社中に準えて、千葉社中と言っていました。


Sくんの結婚式の千葉社中3人組

将来、親友のみんなやその家族と近くに住んだり、新たなルームシェアの方法などで、多くの時間をもう一度共有できたら最高だなと夢見ています。
縁側でお茶を飲みながら、毎日世間話をしたり、ゲートボールしたり、バンドやったり、そんな時間です。
人はなりたい自分にしかなれない

では、また次回。

Mt乗鞍スノーリゾートは4月9日までの営業です。
まだまだ雪もたっぷりですので、もう一度滑りたいという方、お待ちしております。
以下の写真は3月23日に撮影したものです。


Guesthouse Raichoのご予約は以下からお願いします。
予約はこちら

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