僕らは素晴らしい時代に生きている

金沢のグッドネイバーズ吉岡拓也さん
高山のCup of Tea中村匠郎さん
そして自分
という、脱サラで宿泊業界で起業をした同年代の3人が12月12日に高山で会うことになった。

会ってまだ3度目だというのに、昔から知ってる仲のような感じで不思議だ。

これまでそれぞれが2人で会うことはあったけど、3人で会うと、三者三様という言葉あるように、3人それぞれのスタンスがあって、目線が違うところ、共通のところ、2人が重なるところもあったりと、3人だからこそ見えてくることがあった。

※実際は匠郎くんの奥さんやお子さん、吉岡さんのお子さんたち、Cup of Teaの20代後半の若者スタッフ2人とも話していて、以下から述べることはそれら全体の影響もある。

僕らは飛騨牛焼肉を食べた後、高山の繁華街に佇む、前から関わりのある(僕は直接はなかったけれど)「半弓道場」という店に行って、弓道を楽しんだが、そこである違いが見えた。

僕が全くの初心者で下手くそで、彼らは少しだけ経験があるというのもあるけど、僕は矢を引いて構えてからなかなか放つことができない。そうすると筋肉はどんどん疲れていき、次の矢を引く力が無くなり、悪循環に陥る。2回目も3人同時に始めても彼らが終わってるのに、自分はまだ半分(10本のうち5本)だったりする。そして見られてプレッシャーもかかり、さらに矢を射ることが難しくなる。

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今の金利ならなおさら、一つ事業を上手く回せたなら、お金は借りれるだけ借りて次の一手を打つというのは、事業を拡大していく上で経営者に求められる一つの手腕だと思う。借りた利子より、その原資で産み出す利益の方が遥かに大きいということを身に染みて知ってる。そしてその結果できることが沢山増え、世の中に新たな価値を生み出し、より多くの人に富を分配することもできる。もし何かやりたいことがあるのであれば、リスクを追うことになるけれど、そういう選択をした方が、成長スピードは早いし、より大きな結果をもたらす。

しかし、僕は最初の雷鳥立ち上げにおいてもそんなに大きな金額を借りてないし、事業も軌道に乗っているにも関わらず、新たな借入をして、次に行こうという気には今のところなれない。そこには、まだ雷鳥に伸び代があって宿としての課題をクリアし、まだまだ理想に向けてやることがあるということ。それが矢を射る慎重さにも重なる。一方で吉岡さんと匠郎くんは、狙いを定めてガンガン次に向けて攻める。

結果としての売上目標数値。
僕は目標を立てたとしても1億未満。しかし彼らは桁が違うし、その先も見ている。僕は的の点数というより的に当たることに精一杯だけど、彼らは点数を狙う。

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僕が事業を拡大していく上でもう一つ自分の中で覚悟を決められないのが人だ。1人でできる範囲は限られており、拡大するならやはり仲間が必要になる。しかし、人を抱えるということの大変さを、僕はどうしてもクリアできない。人で悩みたくないという思いがある。これは僕の性格や過去のトラウマもあるのかもしれないけれど(ここで言う人とは、アルバイトではなく、社員を増やしていくということ)。組織(人間関係)にはストレスが必ずセットになると思っている。だから自分が脱サラしたというのもある。

そして、自分の時間や運命を自分でコントロールできない幅がどうしても組織は個人で生きるよりも相対的に大きい。裁量という部分である程度自由度を効かせることはできるけれど、我慢、プレッシャーなどはどうしても生じる。どれだけビジョンを共有したとしても、観ている景色が同じになることはなく、何かしら違いが生じる。経営者や個人も我慢やプレッシャーはあるし大変なんだけど、裁量が自分次第なので、意味合いが違う。

なので自分が嫌だと思っていた組織を、自分が作り出してしまうのではないかというある種の恐怖があり、規模を拡大して社員を増やしてということを描きたくない自分がいる。

この働き方や企業の形は、まさに世の中が大きく変わっていく中の過渡期であって、どういうのが主流になるかは、まだわからない。なので、答えを模索して、より良い未来の形を作っていきたいという想いでいるというのは共通だ。

吉岡さんは、事業を拡大し、社員も増加していく舵を取っている。ただし、彼のスタンスはこれまでの日本企業の考え方とも違くて、人の流動性を認めている、というかどんどん流動した方が良いと思っている。なので、社員から新たな起業家が生まれていくし(吉岡チルドレンがすでに沢山いる)、自分の目指す生き方にいつでもストレスなく舵を取れる環境になる。それはそれで新しい素敵な集団だ(今までの組織とは一線を画す)。
もちろん常に人が流れてしまうと規模をどんどん拡大する中では吉岡さんは大変だし、流動しないメンバーも必要になるけれど、それはいつか来る出会いを信じるってことなんだろうと思う。そう腹を括っていた。そんな姿がかっこいい。

吉岡チルドレンの一人でもある匠郎くんは、事業を拡大するというのは、吉岡さんと同じだけれど、人に関しては僕に近い。事業を回すスタッフは個人事業主の複業でよくて、そのスタッフは生活のベースとなる収入を匠郎くんの事業で得てやりたいことにもチャレンジしているようなイメージ。でも事業拡大のキーパーソンとなりそうな人は、言葉は的確ではないけれど、「一本釣り」して事業パートナーとして進めて行きたい思いがある。優しさ溢れる表情と笑顔の中に、匠郎くんの強かな狙いが見えるところが僕は好きだ。

僕の場合は、会社として事業を拡大するのは、さっきも言ったような範囲で良いので、1人社長でも良いと思っている。1人社長と言っても何千万という単位のビジネス規模でもスタッフは必要であり、4人とか5人とは関係を持つことになるけど、匠郎くんと同じく、それぞれ別でやりたいことを実現しながら、複業で雷鳥でそれなりに生活基盤になる収入を得られるようにして、個人の理想のライフスタイルを目指してもらえれば良いと思っている。そして僕自身も今の雷鳥で生活基盤を整えて、他人を巻き込まずに個人としていろんな仕事をしたいと思っている。

ここにも一つ可能性があって、自然体で個人の理想のライフスタイルを重視しながら、組織の中ではなく、個と個がコラボして仕事に関わっていくような働き方をもっと広げたいと思っている。だからこそ、この考え方に共感してくれた23歳の若者を新たにスタッフとして迎え、35歳になってようやく少しだけ形が見えてきたこの理想のライフスタイルを僕自身がさらに理想に近づけながら、他のスタッフや23歳の彼も自分が思い描く理想のライフスタイルを雷鳥という基盤を利用して築いていければ良いかなと思っている。これはこれで僕なりのチャレンジだ。そして、僕の先ほどの弓道でも現れているように、自分がガンガン行くというより、どちらかというと別の見方でチャレンジする人のサポート役が向いていると思っているので、吉岡さんや匠郎くんみたいなビジョンを持っている人を何かしらの形で支えることができたらなぁと思ったりする。そして新たにチャレンジを志す若者に対してもそれを後押ししたいという想いがある。

どれが未来の企業、働き方や経営者の形態として正解というのはないし、それぞれが全然異なるアプローチでもなくコアな部分は重なっていると思っている。そしてもちろん僕らだけじゃなくて、日本や世界で同じようなステージを模索している人がいる。

実はここからが本題なんですが、
これらの長い前置きから見てくることとして、これまでの企業とか、雇用主と被雇用者の関係に新たな道が明確に出来つつあるということなんだろうと思う。ホワイトカラーの分岐点とでもいうのか、意味合い的にはそれが新しい色なのか、レインボーなのかはわからないけれど。多くの人がこれまで単一のホワイトカラーに入っていく時代だったけれど、新しいカラーの働き方や企業やそれを目指す経営者が出てきている。自然界の多様性のように。ホワイトカラーが無くなるわけではないけれど、新たなカラーが出た時に、単一のホワイトカラーはどうなるのか?ってことを少し想像してほしい。

成熟社会の中で、心豊かな生活を送るという本質はどういうところにあるのか?
ホワイトカラーがそれを実現する保証は無くなっている。良い大学、大企業、安定したある程度の収入、終身雇用、年功序列のエスカレーターの先は、実は闇につながっていたりする可能性があるということ。それが世の中のニュースに出てきてるよね。

その一方で単一のホワイトじゃなくて、働き方にも企業にも様々なカラーが出てきていて、いろんなグラデーションが見えてきているのは、前段で話した内容からも伝わるだろうか。

最近はカラーというより、素敵な仙人のようになる人たちもいるよね(笑)。
昨日も別の若者との飲み会があり、飲み会の本題はタイミングが来たらまた別で書こうかなと思うんだけど、その中の話題の一つで、今、本当に「人間らしい暮らし」に還る仙人のような人たちもいる。それもとても素敵な生き方だ。

こうやってみると、実は未来は課題を克服しながら、みんなが望んでいる方向に近づいている。こんな素敵な過渡期を生きている僕らは恵まれているとも思ってしまうのは僕だけ?

こんな時代に自分に素直になって生きないと勿体ない。その本当の自分を前面に出して自分を表現できる時代が近づいている。

僕らは個を大事にした素直な自由な生き方をしたいと思う人たちを心から応援したいし(勝手に最後に「僕ら」としちゃいました)、僕ら自身もいろいろ模索しながら、新たな解を生み出そうとワクワクしながら生きている。この面白さ、伝わってほしいな。

アウトプットできたかな。伝わったかな。
休暇の最後にとても充実した時間を過ごせました。NZに行っちゃった気分。吉岡ファミリー、中村ファミリー、安部くん、鈴木くんありがとう。
なげーなこのブログ!!(笑)もっと完結に書かないとですね。下手くそですみません。ここまで長文をお読み頂きありがとうございます。

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