事業は緻密なストーリーを描くしかない

僕のブログをビジネス目線で読んでいる方が多いので、今日もビジネス関連のブログを書きます。

趣味として事業をやるのか、ビジネスとして事業をやるのかでスタンスが大きく異なる。僕の今は後者のスタンス。そのうち変わるかもしれないけれど。なので前者での考えは全然異なるのでその方には以下はあまり参考にならないというのをはじめにお伝えしておきます。

ビジネスとして事業をやるからには、継続的に成長したい。成長とは「価値ある事業を生み出す十分な投資を行うために利益を増やしていくこと」だと思っている。

そして利益を生み出すビジネスには言うまでもなくストーリーとシナリオが必要(最近戦略・戦術とは言わず、ストーリー・シナリオと言うようにしている。戦いではないから)。僕の周りには新たな事業をはじめようとしたり、起業家が多い。みんなだいたい続いてるので実感はないけれど、一般的に3年後にその事業が続いてる可能性は3割にも満たないと言われる。

幸いにして、僕は次の4月で5年目を迎える。5年連続売上は増加、今年はCafeへの投資のため利益は下るが、お陰様でスタッフやお客様をはじめいろいろな方の支援で継続的に成長できていると言っていいと思う。もちろんその裏には、上手くいかなかったシナリオもいくつか存在する。

ここでストーリーとシナリオという言葉を使っているが、ストーリーはいわゆる戦略(物語)で、シナリオがもう少し細かい戦術(展開)という意味合いで使っている。

振り返って重要だと思うのが、事業を始める時の事業計画に5年先までのストーリーとシナリオを描いていたことだ。

ストーリー:コンセプトである自然にかえる宿・自然にかえる旅を実現するためのサービスを確立していく。事業開始当初は地域の中でブルーオーシャンであり、かつ顕在的にニーズのあるインバウンドにターゲットをしぼって、日本アルプスの自然の中でゆったりとしたい上高地に来るゲストに選ばれる。中略。潜在的にニーズのある日本の若い人にターゲットを充てて、将来に渡って乗鞍が一つの自然にかえる場所となるような地域を作っていく。

シナリオ:地域初のゲストハウスという形態の宿。温泉付ゲストハウスとして現代版の湯治のイメージを作り上げていく。自然環境からしてプライベートを確保してゆったりと過ごしたいというニーズがあるので個室重視かつバストイレ付の部屋を整備して価格帯を上げる。・・・・・

たまに、事業を始めるまでのストーリーは明確に描いている場合が多いけれど、5年先までのシナリオが不明瞭だったり曖昧な起業家だったり事業をみかける。あー、危ういなーって心で思うけれどそれを伝えることはない。他人からはそう見えるだけで事業をやってる本人はいろいろ頭で描いてるかもしれないし、仮に実際に危うくてもそれぞれ本人が経験からその危うさを学ぶことでしか、それに気づかないから。

宿一つとっても一つの宿の5年後のストーリーを描いているかどうかも重要だと思う。僕は当初、浅草でゲストハウスをやろうとしていたけど、目先は良くても5年先が見えなくて辞めた。何度も言うけど、ほんと辞めて良かったと思っている。

浅草でゲストハウスをやらなくてよかった

ゲストハウス雷鳥は、開業当初は5年計画の3割くらいからのスタートしている。多くの事業者は7割、8割くらいから始めると思う。中にはほぼ完成系で始める事業もあって、確かにはじめの印象はとても気を引くものになるけれど、新しい何かができれば、一気に競争に呑み込まれるし、人間は飽きるし、環境も大きく変わる。僕の場合は3割からはじめても競合優位に立てるストーリーを描き、経営的にはシナリオに余裕を持たせた。

今までにもブログに書いているが少しだけ紹介する。
初めから全て改修するのではなく徐々に徐々に改修している。2年目にファミリールームをトイレバス付きに改修して、バストイレ付きのプライベート個室を設置することで、値上げを行った。大広間の宴会スペースはほとんど使ってなくてもったいなかったけれど、3年目に改修した。4年目(昨年)は試行錯誤の年で、今年から各種コラボイベントの開催や、ワーキングスペースとして集客に活用しようと思っている。まだまだ改修すべきところは沢山ある(笑)。

冬のツアーをフックにした宿泊増などの成長を3年目から挙げていた。Cafeも4年目に挙げていた。全てが順調ではなく、もちろん課題が多いけど、冬のツアーは現在はアジア層にかなりの人気が出ている。夏場はCafeでの売上増、通年での人員の最適化を計画に入れていて、だいたいその通りになった。ただしCafeはまだまだこれから。

冬の閑散期を克服するまでの3年間の取り組み

僕がGelato&Cafeをやる理由

上記はシナリオの一部で、他にも単なる改修ではない、集客につなげるシナリオをいくつか持っているし、実行してきた。

競合優位という言葉ではなく、『「常に」圧倒的な違いのあるポジションを確立していく』ことが重要だと思う。そのストーリーやシナリオを描きやすいという意味で乗鞍という場所を選んだとも言える。

10年間の営業では様々なことを学んだ。

僕が営業職を通じて学んだこと

経営者たるもの1年に一つ新しいマーケットに挑戦するか新しいサービスを作れ

この経験は僕の財産であって、大学4年の時、まずは社会に出てビジネスを学びたいと思ってガムシャラに取り組んだ経験が活きている。どんな辛い時でも、僕はこの先の起業のために絶対にこの経験が活きると「修行」と位置付けていた。そして、今は40代の自分のやりたいことのためのまた修行の最中。人生なんてずっと修行なんだろうね。

ここで一つ前職の上司のIさんから教わったことを紹介したい(前も紹介したかも)

「いいか、藤江、ビジネスとはいかに緻密にストーリーを描けるかなんだ。緻密だ。突っ込みどころを無くせ!」これはほんと何度も言われた。

「おまえ、それでお客様が絶対に買うという提案になってるって自信あるか?なぜ競合ではなくてうちのサービスを選ぶのか10個理由を述べろ」提案前の移動中にいつも詰められる。海外出張の前に提案書ができていたとしても、結局飛行機の中は資料の修正。そしてプレゼンの前日は毎回ほぼ徹夜。

「一つでもノリで提案している要素があるなら、それは単なるジャングルファイター、本物ではない。もちろん運も必要だが、運に人生を委ねないのと同じで、ビジネスも運に委ねるな」僕が提案を流そうとすると見抜かれて指摘された。横流し提案ではなく、顧客それぞれの課題の視点で提案の流れを組み替える。

なぜこんなこと書いてるかって、新しいマーケットに挑戦ということで若い人を呼び込もうとしていて、いろいろ手を打ちはじめてるんだねど、まだまだノリもあって緻密さが足りないと思っているところなんです。今ある資源で最大限の効果を出すためにはやはり緻密なストーリーとシナリオが必要だなと。

自戒を込めて。
でも進めます。5年でやりきりたい!形になった一つの動画をご紹介。

ゲストハウス雷鳥 スノーシューツアープロモーションビデオ

スノーシューツアーの詳細は以下

ゲストハウス雷鳥のスノーシューツアー詳細

スタッフも募集してまーす。僕は教えることはしないけど、一緒にいればいろいろ自然と学ぶことはあるんじゃないかと思います。失敗も多いけど(笑)

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