Raicho Inc. 第3成長期を作っていくメンバーへ

まずRaciho Inc.のメンバーに加わって頂きありがとうございます。

この厳しい環境の中、これまでの世界を飛び出して、ここ信州・乗鞍高原の山奥にある雷鳥で働くことに夢を抱き、ここで共に仕事をするという選択をしてくれたことにまず感謝致します。

今回新しく3名のスタッフと業務委託契約を締結し、数名のスタッフとアルバイト雇用契約を締結します。業務委託3名のうち1名はアルバイトからの契約変更です。

これまでの雷鳥は社員(ベーシックワークライフ)とアルバイトという雇用形態でしたが、今年からはスタッフとの仕事の関わり方を変えていきます。

僕が尊敬する人の一人に、四角大輔さんという方がいます。四角さんの言葉で僕が大事にしている言葉を一つ紹介します。

「人は誰もがアーティスト」

アーティストというと、芸術家などをイメージすると思いますが、芸術家だけでなく、誰もが表現者であるということを言っています。

人の生き方はそれぞれであって、今後もこれが正しい、なんて言うつもりは一切ありません。それぞれの生き方はそれぞれが自分で見つけて欲しいと思います。十人十色の幸せの形があると思っています。

一方、現代はとても生きづらい世の中だと思います。
必要としていないのに、他人の生き方をSNSを通して目にしていまします。SNSで表現していることは、ある特定の人の生き方のスポットライトがあったほんの一瞬であるにも関わらず、その煌びやかな姿が羨ましく思えてしまうことがあります。

幸いにして、僕が一番自分と向き合って格闘した20代は、SNSはMixiとFacebookくらいで、InstagramやTwitter, Tiktokのような開かれているものではなかったので、友人の近況が知れる程度で、余計なノイズはなかった。しかし、現代は「インフルエンサー」という人たちが登場したり、全然知らない人とつながり、その人のほんの人生の一部であるにも関わらず、スポットライトがあった人生を見れてしまいます(もちろんそれらの良い部分もあります)。

その結果、隣の芝は常に青くみえ、自分が本当に何をしたいのか見えずらくなったり、選択が無限に見えてしまうことで、すぐ別の環境に移ってしまったり、目的と手段が逆転しているような選択を続けてしまうことがあります。人生一度きりなので、やりたいことを素直にやっていけば良いのですが、そもそもそれは「本当にやりたいことなのか」「今やるべきことなのか」「やりたいことがある中で今何に向き合うべきなのか」ってことを突き詰めて考えなくてはなりません。

それに対して、僕は会社をはじめて6年、特にサポートをしてきませんでした。これまではそれはそれで良かったと思います。

しかしそれでは、互いが成長したいと心では思っていても、なかなか成長につながるような結果につながっていないのではないかと思いはじめました。成長戦略を考えることと遂行は経営者である僕がやり、オペレーション業務を任せるような仕事の仕方の限界ってやつです。もちろんオペレーション以外でも僕はこんな仕事もあるよとボールは何度か投げますが、なかなか返ってこなかった。でもそれは僕に責任があると思っています。そもそもオペレーション業務に追われるようなシフト体系になってしまっていたし、その投げるボールの持つ意味をしっかりと伝えてなかったから。

きっかけはともかく、せっかく会社に集った仲間なので、互いが成長を実感したい。そしてもっと会社としていろいろやっていきたいことがあるので、やはり仲間の力が必要だと昨年のコロナ禍の1年を通して実感しました。

早く行きたいなら一人でいけ、遠くへ行きたいならみんなで行け。

これまでの6年間は前者で良かったんですが、Raicho Inc.に求めらていることが大きくなってきた中、僕は改めて後者への舵をとることにしました。実は2年前にもそうしようと決意していたのですが、実態を伴うことはできませんでした。なぜできなかったんだろうと振り返った時、ウェザーニューズの経験が思い出されました。

僕の人生を振り返ると、5年間という短い期間でしたが、尊敬するもう一人のウェザーニューズの創業者の石橋さんが、人生の中でのビジネスの捉え方をすぐそばで見せてくれていたし、考えるきっかけを与えてくれていました。そしてウェザーニューズで10年働いた中で培ったことがありました。

石橋さんは、「自分が正しい」なんて一切言ってないし、「おまえのこういうところがダメだ」とか、「こう考えた方が良い」なんて言い方もしませんでした。
「おれはこう思うんだけど、どう思う?」
「だよな」「おー、おまえはそう考えるかー」
的な会話で考えるきっかけを与えるだけで、結論付けたり、断定することはなかった。

そして、ウェザーニューズでは、年度はじめと半期の2回事業計画(半期の方は修正事業計画)を立てるタイミングで、この1年会社の事業計画に対して、自分のキャリアプランや目標も踏まえて、何をしていくか(何を有言するのか)というのを突き詰めて考え、その達成度を3ヶ月毎に確認する作業をしていました。目標に対して能力的にも何が足らないのかを3ヶ月毎に突きつけられるんです。

ありがたいことに、僕はこれを10年することによって、自分の夢や目標に対してのPDCAを回すことの筋肉がついたんですよ。インナーマッスルなんで、どんな向かい風がきてもほぼブレない。隣の芝が青かろうが、揺るぎない信念ができ、自分とどう向き合うかしか考えてないです。

例えば、世の中の流行りにはもちろん敏感であった方が良いですが、その流行りの背景や本質的な部分に目を向けたりして、必要なことを考えていきます。そもそも僕は単純に流行り出したものはそんなに興味はなくて、時流を読み、先見性で人々が今後注目していく価値観とか役に立つこと、世の中を良くすることに興味があります。でもそれはなかなかビジネスとしては結果はでないということを覚悟しなければなりません。でも僕はそれで良いと思っています。
アーティストですから。有名な経営者になりたいとか、大企業にしたいとか、1億円とか10億とか100億の年商のある企業にしたいわけではなくて、一人の表現者でありたいだけ。表現の結果としてそうなる分には良いと思いますが、でも僕はあまり表には出たくはない、地味で良い。煌びやかな世界は疲れるので(笑)伝わる人に伝われば良いです。

話は戻り、アーティストの部分です。

あなたは両親から命を授かり、人生を通して、何を表現していきたいですか?

まず、ここに向き合うかどうかの選択も自由です。
向き合うことが正ではありません。向き合えば幸せになるということでもないし、向き合わないから幸せになれないというわけではありません。どう生きるかです。

ただ、もしあなたが向き合うという選択をするのであれば、今年から業務委託契約を締結したスタッフに、僕も全然大した人間ではないのですが、ほんの少しだけ表現者として前を進む者として、あなたが表現するためのきっかけとなるツールや情報、表現のヒントを提供します。

ちなみに、すでに表現者になっている人であれば、こんな僕のサポートは不要というか余計であって、早く表現者どうしで仕事ができるようなチームが組めればなと思っています。

まず今週からはじまる研修期間の中で、Raicho Inc.の事業計画をブラッシュアップしながら、それぞれが何を目指していくのか明確にし、Raichoで行うすべての仕事がその目指してくことにどう結びつくかも落とし込み見ます。

それを日々のコミュニケーションでトライアンドエラーを繰り返しながら遂行し、3ヶ月毎に見直す作業を行いたいと思います。

しかし、自分と向き合う作業というのは辛い部分があるということを覚悟が必要。できていない自分と向き合うわけですから。そして、結果はすぐには出ません。その結果も、何を持って結果とするかも落とし込みが必要です。3年、5年、10年かかるものもあるし、20年やっても、人生を通しても結果は出ないこともあるでしょう。

石橋さんだって、まだまだ実現したいことは山のようにあったわけです(僕が入社5年目にガンで亡くなった)。しかし、ウェザーニューズという会社は今も成長を続けているし、ここに僕もこうして書いているように、石橋さんの魂は生き続けているわけです。そういうスパンでも物事が見れるかどうか。

つまらないプライドなんて全てまず捨てることです。その方が成長は早いです。年齢とか性別とかも気にする必要もない。周りは気にせず、素直に今の自分をまずは認めること。そして一つずつ成長していきましょう。

一方、自分が不得意とすることにずっと向き合う必要はない。得意なところで結果を出せるようにすれば良い。ただし、自分が目指す目標を達成するためにその不得意な部分があるのであれば、クリアしなければならないか、それは、チームで補っていくというのを決めていかないと、その目指したいゴールに辿りつけません。不得意なことに向き合い続ける必要はないですが、不得意なことを回避かサポートを受けながらゴールに辿り着く方法と向き合って下さい。

そして、大事なのは、目標に対してやりぬく気持ちと小さい結果の積み重ねです。

理想と現実には、大きな大きなギャップがあります。
常にそこに向き合い続けると疲れるので、少しでも進歩があったらそれを認め合い、よくやったと褒め合いましょう。そうやって小さい結果の積み重ねていけば、自信がついていき、やがてそれは大きな結果へとつながっていきます。

そもそも僕のこのスタッフとの関わり方だって、ここに書いてある通り長い道のりの過程です。ベーシックワークライフをやってみたけど、そこには課題が沢山あったので見直しているわけです。そして今回の働き方の提案もきっと課題が沢山でるでしょう。でもこの乗鞍に誰もが憧れる企業を作り、魅力ある新しい働き方を世の中に提案していきたいという想いにブレはなく、そのためのトライアンドエラーを繰り返します。これまでの6年において、年に2ヶ月(約1ヶ月・1ヶ月の継続した休み)を取れるようにする、というのはすでに形にできました。そしてこれは今後も続けていきます。
よく言われるけど、売上のことだけ考えれば、日本の経営者としてはほぼない判断ですよね(笑)

芸術家の魂こもった作品は、自分の作品をいくらで売りたいなんて考えながら作品は作らないでしょう。まずは何を表現したいかなんです。アーティストになりたいのであれば、とりあえずお金のことは置いといて、まずは何を表現したいかを徹底的に考えて行動しよう。

ウェザーニューズの石橋さんの言葉を借りれば、
How wonderfulを徹底的に考えろ!!
How muchは後で抑えろ

です。

僕はHow muchを抑えるし、一緒にその部分も考えていきましょう。そのための業務も振りますし、その部分についても考えてもらうことはあるかもしれませんが、まずは何を表現したいかを徹底的に突き詰めて考えて下さい。それを業務委託契約書に盛り込みます。

そして、できるだけインセンティブで結果に対する報酬体系を定義していきたいと思っています。

ただ、めっちゃ儲けて、高所得者になりたいということであれば、別の会社に行くことをオススメします。本当に意味のある、人が生きるために必要で人間らしい生活を支える仕事というのは、残念ながらそんなに儲かるものではないと思います。高収入の仕事の多くは鞘抜きビジネスかインフラ系の企業、マネーゲームです。プラットホームやインフラを作る企業などを選択した方が良いですね。それはそれで世の中に必要なものです。ただ、Raichoも平均くらいは目指したいなとは思います(笑)

最後に、僕が表現したいことを書きます。

乗鞍地域をサステナブルにすること(30年後, 50年後がみえる)。
海外のロングトレイルを歩き回るハイカーとして、地球上の世界の自然、そして自らの足で歩くことの素晴らしさを伝えていくこと。

この大好きな乗鞍を持続可能な形で発展させることに、僕は全力を注ぎます。
それは、僕の人生のテーマである地球環境問題(特に温暖化)に向き合うということ、日本経済を発展させたいというのも含まれています。そして世界の美しい自然がなければ、僕の後者のハイカーとしての表現はできません。自分自身が楽しむためにも、後世にその楽しみを伝承していくためにも、乗鞍地域をサステナブルにすることは重要なミッションなのです。
こんな大きなこと言ってますけど、僕ができることなんて限られていると思いますよ。でも別にいいんです。やれる範囲でやることをやれば。重要なのは小さくても結果を出し続けること。

そのために、
Raicho Inc.は進化してどんどん魅力ある企業にし、乗鞍に人を呼びこみつつ、起業家も生み出したいと思い、今回の働き方の変革を行っています。

今、僕らの目の前に広がっているテーマはとてもやりがいのあることだと思います。乗鞍をゼロカーボンパーク第1号として政府が認定したわけですから。しかし、認定されただけであって、本当に理想に向けて動くかは僕らが自分事として捉えて行動できるかです。ビックチャンスなんですよ。ワクワクしませんか?

しかし、最後にもう一度言います。それぞれの個人の捉え方次第です。
それを本当にやりがいのあることと思えるかどうか、そのためにどうやって関わっていくのかは自分次第です。自分の未来を見据えてしっかり自分と向き合って考えてください。

では、20日からの研修を楽しみにしています。

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