TABIPPOさんと歩んだコロナ禍の1年 第2話 僕らの資金源と初の乗鞍

前回の記事でTABIPPOさんと出会うまでをお話ししました。
今回は少し生々しいお話といよいよTABIPPOメンバーが乗鞍にやってくる話。

第2話 我らの資金源と初乗鞍

1.「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業
2. ゲストハウス雷鳥、ワクワクしながらリスクを背負う
3. 事業開始前の TABIPPO 約束の初乗鞍のワーケーション&けんちょくん

1.「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事

TABIPPO.netにおうちでのりくらが掲載されることが決まり、オンラインでの打ち合わせからはじまった。当時は担当の西脇くんはもちろんのこと、TABIPPOのみんなが旅好き集団ですが、乗鞍の事を知らなかった。

これが現実。若者に認知度はない。
僕の場合は、そういう時に改めて乗鞍のポテンシャルを感じちゃうんですよね。

前回も紹介したけどもう一度とTRAVEL at HOMEで掲載された記事を載せます。

記事がアップされた後、担当の西脇くんからは、「夏に必ず乗鞍に行きます」という営業トークも混じった宣言や、今後何か一緒にできたらいいですよねという話をした。

のりくら観光協会としても、若者を乗鞍に呼ぶために、TABIPPOさんに協力してもらって情報発信してもらうなど継続的に何かを取り組みたいと思っていた。しかし、実際ビジネスとなると、TABIPPOさんへの記事掲載などは、それなりの費用が発生するので、観光協会の予算ではまず無理だった。これは乗鞍に限った話ではないが、小さい地方の観光協会などの組織はそういったPRにかける費用はポスター制作や協会のWebサイトの運営くらいしかなく、大きな広告予算などなかった。なので、もし取り組むのであれば、きっと補助金などだろうなとは思っていた。

一方、その頃雷鳥は、すでにワーケーションに取り組んでおり、6月には1週間ほど滞在するワーケーションプランの利用者がいた。ワーケーションについての想いを話すと、僕がそもそもこの宿をはじめた経緯とも重なるので、ここでは9月に書いた以下の記事などを参照してもらいたい。

とにかく僕は、乗鞍ほどワーケーション(長期滞在)に向いている土地はない。ワーケーションの波に乗り、この地に人を呼び寄せたいと思っていた。

雷鳥は5月に小規模事業者持続化補助金も採択され、資金の一部を使って多目的スペースを改装することも決め、7月にワークスペースが完成していた。

さらに環境省の補助金を使って、雷鳥として今後の親子ワーケーションの需要をにらみ、先手で親子ワーケーションを商品化をし、以下の動画も制作していた。

こちらは、金沢のグッドネーバーズ吉岡ファミリーにご協力頂きました。動画の撮影と編集はさとしくんです。

その時は、のりくら観光協会として高原内のトレイル整備を行おうとしていたし、さらにGIFT NORiKURAジェラート通販なども見込んでいたので、お客さんは全然来ない中、僕の5月~7月はほんとに目が回る忙しさでした。そのまま1年、目が回りっぱなしなんですけどね(汗)

そんな中、さらに、いや、ついに見つけたのが、
観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」における実施事業の公募について、だった。
実証事業ということで補助金とはまた考え方が異なるが、国内の新たな旅のスタイルを推し進めるための誘客多角化実証事業としてMAX2000万がなんと定額で使える資金を得られるものだった。公募要綱を読んだ瞬間に、これだと思った。

僕は速攻でTABIPPOの西脇くんにメールをして、一緒にやらないか声をかけた。TABIPPOのコミュニティー、影響力、若者を集客する力を借りられる!!単なるPRではなく、乗鞍地域全体をワーケーション地(長期滞在の場所)などで若者向けにリブランディングができるだろうと。

2. ゲストハウス雷鳥、ワクワクしながらリスクを背負う

まずはこの事業の意味を考えてもDMOや観光協会でやるようなことだったので、当初はのりくら観光協会としての応募で、長期滞在向けのコンテンツ造成をしてみてはどうかと、観光協会の宣伝部にもちかけた。やろうやろうとなったのですが、この手の補助金の事業は、完了報告を出さないとお金が入ってこない。つまり、すべてまずは自前のお金で事業を行い、報告書を出し成果なりが認められればお金が戻ってくるというものであった。

DMOではない、単体の観光協会などに携わる方ならわかるが、法人格もない、任意団体がそれらの資金を準備することはなかなか難しい。物理的にも、協会内の意思決定プロセス的にも。なので観光系のこの手の大きな補助金は、だいたい東京などにある旅行会社やコンサル系の会社、広告代理店が間に入って実施する場合が多い。

よくある補助金の問題の多くはここにあって、地域が主体とならないので、単純な補助金消化型の単発補助金イベントで終わり、地域には何も残らず、コンサル系にお金が流れるだけ、というのが多いからである。

さらに言えば、実施主体がリスクを負わない事業というのは大抵うまくいかない。

この話だけでも一つのブログが書けそうだが、それは狂犬さん(木下さん)などにお任せして、要は観光協会では応募が難しいという状況であった。

しかし、やりたいことがあるし、国が予算をこれだけかけようとしているのに、そして、せっかくTABIPPOさんと接点ができたにも関わらず、何もしないでどこかにお金が流れてしまうのはとても勿体ないなと思い、何がなんでもやろうと、表向きには雷鳥を事業主体としてTABIPPOとのりくら観光協会と取り組む形で応募し、僕はリスク負う覚悟した。

山奥に来て6年が経ち、何よりTABIPPOさんのような若い勢いのある会社の人たちと新しい取り組みができることにワクワクする自分がいた。そういうワクワクする仕事をすることが、人生の楽しみなわけです。

当時、この先の読めない状況の中、雷鳥はコロナ禍を耐えるための運転資金の新たな借り入れをしたばかりだったが、誘客多角化の資金についてはもう勢いでなんとかするという覚悟だけあった(笑)。
取引銀行とは信頼関係を構築していたし、今は乗鞍のためにお金を流して、コロナが去るのをただ待つのではなく、今だからこそできることをやりたいと思ったのだった。

締め切りの5日前くらいから、雷鳥としての応募で申請書類を書き始め、松本市にも確認を取り、ギリギリで応募した。

応募総数や倍率はわからないが、Twitterなどからはほぼ不採択のツイートしか流れてなく、かなりの高倍率になったことは確か。一次採択は307の事業となり、雷鳥とTABIPPO、のりくら観光協会で取り組む事業は、8件の応募のあった松本市の中では唯一採択され、松本市を代表する事業となった。
正直今回は不採択になるだろうと思っていたので採択されてビックリした。

手前味噌ですがこの手の補助金は、他人の事業のサポートを含めてトータルで12回くらい応募してますが、今の所、採択率100%です。

これはすべて前職のウェザーニューズのおかげ。
10年間営業として修行し、NEXCOや国交省の技術提案書を書きまくっていたので、正直それらに比べてたらレベルが全然違います(NEXCOや国交省の技術提案書の方がはるかに上)

さらに実績の乏しい雷鳥が環境省の国立公園のプロモーション動画制作業務も、東京などの映像制作会社との提案コンペに勝って受注(10月1日)しちゃったわけですから、これはもう僕の強みだなと思うわけです笑
こちら間も無く公開。さとしくんと魂込めて作ってるんでできたらシェアするのでみてくださいね。

このブログを読んでいて補助金申請などでお困りの方、お手伝い必要でしたら声をかけて下さい。夢のある事業を応援します!!

話がズレました。

ということで、さすがに2000万のリスクを背負うことはできないので、800万の事業資金を得ることができました。

その事業名が、
「国立公園内でのリモート・テレワーク及びワーケーション地としての滞在コンテンツ造成とブランディング」

そもそも事業名で採択が決まりそうですよね。
みなさんご存知、国も人々もそこを向いているわけですから。
もちろん国が向いているから、これをやるというわけではないです。乗鞍は学生村の歴史がある通り、長期滞在が向いている土地で、リピーターの多くが連泊で、連泊するとめちゃくちゃ満足度が高くて、地域も望んでいる滞在のあり方だった。それをどう実現するかという意味で、このコロナ禍で変化が出できたライフスタイルや国の方向性と題名を重ねたということ。

3. 事業開始前の TABIPPO 約束の初乗鞍のワーケーション&&けんちょくん

採択時期が大幅に遅れ、当初採択後の最初のTABIPPO視察ツアーと睨んで計画を立てた8月は、採択がされることを前提にお互いの約束ということで、西脇くんなどTABIPPOメンバーに来てもらいました。

ビジネスが決まるかどうかもわかならい中、約束を守って、時間を割いて乗鞍を訪れてくれたことがとても嬉しかったです。

みんなでサップしたり、

Photo by Seth McAllister

標高3000mの乗鞍岳登山したり、

Photo by RIRIKO ITO

地元の若い人たちとBBQしたり、

Photo by Aakane Uozaki

まいめの池で星空撮影したり(ぬまくんはカメラを池に落とす)

Photo by Shigeki Naganuma

ゲストハウス雷鳥のワークスペースでワークしたり、

Photo by RIRIKO ITO

一夏の乗鞍を4名のTABIPPOメンバー(ぬまくんあかねちゃんいとりさん西脇くん)が楽しみました。

ぬまくん以外、登山する格好ではなかったですが(笑)、4人とも本当に楽しんでくれて、「ここはあまり教えたくない!」と言って帰っていったことを覚えています。上記のアクティビティーはまだまだ乗鞍のごく一部。夏が待ち通しくなってしまいますね!!

ちなみに、乗鞍が初受注案件になるとおもいきや、実証事業の採択時期が遅れたため、別案件をここ乗鞍で初受注した西脇くんは、乗鞍が忘れられない土地となったでしょう。

また西脇くんの紹介で、旅好きのブロガーでもあるけんちょくんが、雷鳥の若者ターゲットにした夏のPVに出演してくれました。撮影&編集はもちろんさとしくん。そのPVがこちら。

けんちょくんは、ワーケーションのモニターとして来てくれ、雷鳥は雷鳥で粛々と若者ターゲットに情報発信したり、ワーケーションに力を入れていた。

けんちょくんが書いてくれた記事の数々はこちら。
最初の2つの記事はけんちょくんのブログ。3つ目はTABIPPO.netへの掲載。

けんちょくんには感謝しかないです。ありがとー。

ブランディングの1年はまだまだ序盤です。実証事業はまだスタートしていません。9月18日に採択が決まり、いよいよ本格的に実証事業がスタートすることになります。

かなり長くなってしまったので、実証事業の詳細はまた次回。
どこまで続くんだ(笑)

最後に、お金のない地方観光地が新しい取り組みをするためには、僕はやはり補助金は有効な手段だと思います。補助金があるから何かやろうという流れは僕も反対ですが、もともとやりたいことがあるなら、「地域が主体となって」活用して、地方にどんどんお金を流した方が良いかなと。

そして、今、新しい補助金が出てきています。

環境省 令和2年度(補正予算)国立公園・温泉地等での滞在型ツアー・ワーケーション推進事業 3月7日現在すでに公募開始しています。https://www.eic.or.jp/eic/topics/2021/wkiv/001/

観光庁↓誘客多角化事業の後継版と言われています。

地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics08_000174.html
3月15日から応募開始

コロナ禍でただ耐えているだけでなく、進化している地域や企業はあります。そろそろ世界も冬が終わり春の気配がしてきた今、みなさんの地域はどう進化しますか?

TABIPPOさんが手伝ってくれるかもしれませんよ!!
次回の話に出てくるとても優秀なプロデュースメンバーがいます。

次回は、視察を繰り返し、具体的にどのようにブランディング戦略を立てていったのか、TABIPPOさんと実証事業にふさわしい取り組みについて話していきます。

さて、前回同様に、雷鳥では次年度から共に目指すものを共有して社会をより良くしていく仲間を募集しています。「地球上の多様性を尊重する社会の実現」という夢を掲げ、「持続可能で循環型の未来を創造すること」をビジョンとし、まずは乗鞍地域をサステナブルにするアクションを取っています。
興味がありましたら、以下の募集要項を確認して連絡下さい。すでに採用も決定している方もいるのでお早めに。
スタッフ募集
ヘルパースタッフ募集

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